東大生が渋谷のマックで働いて身についたこと① −マーケティングとオペレーションの話−
■自己紹介
はじめまして、清原と申します。このnoteが初めてのnoteになります。
このたび10月からおなじみの田端大学に入学して、しっかりアウトプットしなきゃと身にしみて感じたので、今まで考えてきたことを少しずつ整理して公開していけたらいいなと思い、noteを開設しました!
少し自己紹介すると、いま東大の経済学部の4年生で、大学生活は、勉強のかたわら、趣味とバイトに精を出してきました。ちなみに趣味は、打楽器の演奏と、好きなアーティストの曲を聴くことです。好きなアーティストは、椎名林檎とチャイコフスキーです。
ちなみにTwitterもやってます。
■本論
さて、タイトルから分かるように、私は渋谷のマクドナルドで1年間アルバイトとして働きました。そのアルバイトにおいて、お金を稼ぐということはもちろん大事なのですが、その他に目指していたことがありました。それは、「もし自分がマックの社長だったらどうするだろう?」と自問自答し続けるということです。この自問自答の連続によって、自分の大きな成長へとつながりました。
少し話が逸れますが、東大生の代表的なバイト先として、家庭教師や塾講師、チューターがあげられます。しかし僕は、あえてそれらはやらずに、マクドナルドで1年間、そしてGUで1年間働きました。
それにはいくつか理由はあるのですが、シンプルに書くと、ちきりんさんもおっしゃっているように、自分をマーケットに晒さずに社会人になることが怖かったからです。(※1)
一見逆説的ですが、時給のいいバイトを選ばないことで、自分の貴重な時間そしてポテンシャルを失わずにすんでよかったと今では思っています。
本題に戻ります。
マクドナルドのアルバイトで身についたことそれは、「マーケット感覚」と、「オペレーションスキル」です。
よく就活サイトなどで、「マクドナルドはマニュアルがあって、丁寧な接客ができるようになるから就活に有利!」などと書かれていることがありますが、そんな次元の低い話ではありません。
具体的に話していきます。
まず「マーケット感覚」についてです。
東大にもマーケティングと名のつく授業はあります。そこではロジスティック回帰分析など高度なことを学ぶことができます。これはとても有意義な授業でした。しかし、その授業で「マーケット感覚」が身についたかと言われれば、そうではありませんでした。なぜなら、大学の講義室の机の上という、最もマーケット(市場)から遠い場所で行われているからです。「マーケット感覚」とは、『他者への想像力をどれだけ持てるかということ』(2015. 5.22. DIAMOND ONLINE 【特別対談】田端信太郎×ちきりん(5)(※2))であり、それは座学で身につくものではありません。
一方で、マクドナルドといった店舗でのアルバイトはどうでしょう。レジを担当する時において顕著ですが、店舗でアルバイトをすると、会社で最も大事な財産である顧客に、最も距離の近い存在になり得るのです。マクドナルド本社のマーケティングチームは、次々にプロモーションを打ちますが、そのプロモーションの真の当事者は店舗スタッフに他なりません。店員が、一番最初に一番リアルなお客さんの反応を見ることができるのです。多種多様なマーケティング施策に対するお客さんの「生」の反応に触れることで、「こういうキャンペーンを打てば、お客さんはこういう反応をするのか」や、「去年と同じ月見バーガーなのに、今年の方が売れるのはなんでだ?」など思いを巡らす多くの機会に出会うことができます。この思いを巡らす過程で、いやでも「マーケット感覚」は鍛えられるでしょう。店員にとっての店舗は、まさに「マーケット感覚を鍛えられるジム」なのです。
他方、店舗から上がってくる生データを分析すれば本社にいながらでもマーケット感覚は身につくだろうという批判があるかもしれませんが、それは違うと思います。生データと、「生」のデータの違いです。このあたりはいつか整理する機会があればいいなと思ってます。(「生データ」について10/9にnoteを書きました。)
次に「オペレーションスキル」についてです。
先ほどのレジを担当する時とは変わって、キッチンを担当する時にこのスキルは身につきます。マクドナルドがなぜ世界最大のファストフードチェーンになったかというと、そのオペレーションに理由があると僕は考えます。マクドナルドのオペレーションの洗練具合は、業界問わず群を抜いていると感じます。これは、他の業界でアルバイトを実際にしたうえで感じたことです。どういうことかというと、マクドナルドのオペレーションは、誰でもある程度のハンバーガーが作れるように空間が設計されているのです。レッシグの言葉を借りれば、誰が調理してもある程度のものができるように、「アーキテクチャ」(※3)によって規制されているのです。レッシグは、サイバー空間という文脈に対して「アーキテクチャ」という言葉を当てはめていますが、リアルな空間でこのように設計できているということは驚異的です。「なぜそのように設計されているのか?」、「どのようにしたら他の業界でもそう設計できるのか?」などと考えながらながら、チーズバーガーを作っていたので(笑)、かなりの「オペレーションスキル」、さらには「オペレーション構築スキル」が身についたと思っています。
まとめ
このように考えていくと、やはり大学1年生の時に、マックをアルバイト先として選んでいてよかったなと思います。「マーケット感覚」、「オペレーション構築スキル」を大きく鍛えていただきマックには頭が上がりません。ただ、特にマーケット感覚に言えることなのですが、いくら鍛えたところで、絶対にバズるツイートができるようになるというわけではないので、そこは難しいなと思うと同時にまだまだだなと思っています。所属サークルのツイートでバズらせたかったツイートを貼っておくのでぜひ見てください(笑)
最後に
この記事の反応が多ければ次は、「東大生が銀座のGUで働いて身についたこと(作成済)」、「マックとユニクロにみるオペレーションの決定的な違い」(記事作成済み)などのテーマでnoteを書いてみようかなと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!みんなもぜひ考えて働いてみてください!
清原(@Takashi0Zo)
注釈
(※1) 2011-01-06 ちきりんの最初の職業選び(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110106?platform=hootsuite)を参照
(※2)https://diamond.jp/articles/-/71035?page=3 から引用
(※3)気になる方は、レッシグの名著 “CODE”を参照のこと
※一番上の画像は公式サイトより引用
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