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未来をワクワクさせる近代建築の世界遺産


今日は未来をワクワクさせる、近代建築の世界遺産をご紹介します!


近代建築って、世界遺産なの??

そう思う方もいるかもしれません。
世界遺産の多くは歴史ある建築物や地球全体で守るべき遺産などが多く存在します。

世界遺産はこれまでヨーロッパの登録が多かったのです。
欧米列強の時代が長いわけですから、そりゃそーだ!とも思いつつ...。

そんな中、1994年にグローバル・ストラテジーという新たな理念が生まれました。

【グローバル・ストラテジーとは】
世界遺産条約のグローバルストラテジー(世界戦略)は、世界遺産リストを、 地域間・テーマ間・文化と自然などの不均衡を是正し、地域やテーマにおいて 高い代表性があるものとし、信頼性の高いものとするための各種方策を示した 戦略であり、1994 年に世界遺産委員会で採択された。
引用:https://www.env.go.jp/nature/isan/kento/030526/mat_07.pdf

簡単にいうと世界遺産への信憑性を取り戻そう!
平等に評価していこう!という理念です。

グローバル・ストラテジーは4つの強化項目があります。

・世界遺産を持たない国も積極的に登録を目指す取り組み、サポート
・人類の技術進化の証拠の遺産でもある鉱業、産業などの登録強化
・未だ解明されていない先史時代の遺産の評価
・20世紀以降の文化遺産の登録強化

今回は4つの中でも「20世紀以降の文化遺産の登録強化」の世界遺産をご紹介します!


シドニーのオペラハウス(オーストラリア)

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画像引用:ミライノシテンhttps://www.mirainoshitenclassic.com/2017/06/7arc.html

シドニーのオペラハウス!世界的にも有名な歌劇場・コンサートホール・劇場です。とっても有名な世界遺産のひとつですよね。オーストラリアの観光スポットとしても人気が高いです。

世界遺産登録基準は10項目あるうち、( i )のみが認められています。

( i ) 人類の創造的才能を表現する傑作。

人類が生み出した傑作。
それが世界遺産に選ばれた理由です。

なんだかとてもかっこいいいいいい!!!

特に、デザイン性が高く評価されました。当時はそれほど、衝撃的な建築だったんですね~!

貝殻にたとえられるその構造があまりにも独創的だったため、工期を6年超過し、完成までに16年を要した。コンクリートや補強財のリブ、現代技術を駆使して建設されたオペラハウスは、創造性と革新性を備えた20世紀の偉大な建築作品である。
引用:ユネスコHP http://whc.unesco.org/ja/list/166



設計は当時まだ無名だったデンマークの建築家、「ヨーン・ウォッツォン」が手掛けました。
(※ヨーン・ウツソンという表記もありますがここではヨーン・ウォッツォンという表記でご紹介します。)

当時、デザイン案の公募を行い、233件の中から選ばれたのがヨーン・ウォッツォンのデザインでした。

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画像引用:日経クロステックhttps://xtech.nikkei.com/kn/atcl/bldcolumn/14/660654/100100026/

ヨーン・ウォッツォンのデザインはとても独創的で、当時の建築技術では難しいものでした。特徴的な屋根の部分はデザイン案が何度も変わるほど難航したんだそうです。

しかし、デザインの実現が難航しただけではありませんでした。

建築費も予算より何倍も膨れ上がってしまったのです。なんとその金額は予算の14倍ともいわれています。

14倍て...!いくらなんだろう...。
2倍でも相当なのに...!

さらに建設途中に政府の政権党が交代。予算面の承認が下りず、一時は建設をストップする事態になりました。

この事態を受け、ヨーン・ウォッツォンはプロジェクトから撤退してしまいます。その後は複数人で監督を務め、1973年の10月にようやく完成となりました。

ヨーン・ウォッツォンは2007年にオペラハウスが世界遺産に登録された一年後に亡くなり、地元メディアで大きく取り上げられました。
そして2009年にはオペラハウスでメモリアルコンサートが行われました。

難航し諦めないで夢の構想を実現した結果が、今でもオーストラリアのシンボルとして愛され続けている理由なのだと私は思います!!


ブラジリア(ブラジル)

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画像引用:阪急交通社
https://www.hankyu-travel.com/heritage/brasil/brasilia.php

ブラジルの首都・ブラジリアは世界遺産として登録されています。

ブラジリアはブラジル独立の象徴として、人工的・計画的につくられました。
当時の大統領ジュセリーノ・クビチェック・デ・オリヴェイラ氏は、栄えている都市ではなく、敢えて経済的にも遅れているブラジル中西部に新しい都市をつくり上げました。

シドニーのオペラハウスは16年もの年月をかけてつくりましたが、ブラジリアはわずか4年という短期間で首都を完成させました。

設計を手掛けたのはブラジル人建築家のオスカー・ニーマイヤー

近代建築の巨匠、ル・コルビジェの弟子としても有名です。

【ル・コルビジェについて↓】

オスカー・ニーマイヤーの案で都市計画案を募った結果、建築家のルシオ・コスタの「パイロットプラン」が採用されました。

ブラジリアは上空から見ると「飛行機」のように見えます!

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画像引用:Google Earth https://earth.google.com/web/?hl=ja

飛行機のように見える都市とかオシャレだ~!そんなこともできちゃうんですね。

私は千葉県出身ですが、千葉といえばチーバくん!千葉の形はチーバくんのおかげで簡単に覚えられました。

千葉県出身の方とお話する時は
「○○市は、チーバくんでいうとどの辺りなの~?」
「んー、お腹辺りだよ!」
これで通じます。(千葉出身あるあるだと思う!多分!(笑))

もし、ブラジリアに公式キャラクターがいるのならヒコウキくんですね!(笑)

この「パイロットプラン」の凄いところは、デザイン性だけではありません。エリアによって分かれているんです!

機首部分...「三権広場」連邦議事会堂や最高裁判所、大統領府など

胴体部分...「文化エリア」商業施設やカテドラル、文化施設など

翼部分...「住宅エリア」住宅やホテルなど


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画像引用:株式会社アルファインテル

こちらは「三権広場」の写真です。ユニークなデザインが目を引くブラジリアを代表する建物です。
オスカーニーマイヤーの代表作とも言われています。内部を見学することもできるんだそう!

他にも居住区は240mの正方形と区画整備がされていたり、立体交差により信号が少なく、バスや自動車のみが交通手段となっていたりとデザインだけでなく、細かく定められているのも特徴です。


まとめ

今回はシドニーオペラハウスとブラジルの新首都、ブラジリアをご紹介しました!

どちらも存命中に世界遺産に登録された、珍しい遺産となっています!
今後もこれまで思いつかなかった建築デザインなどが世界遺産に登録されていくかもしれませんね!

今年登録された遺産の中でも、20世紀の建築が世界遺産登録されています!(ロバート・ブール・マルクスの記念)

世界遺産だけでなく、どんどん進化していくテクノロジーにも注目ですね!

#これからどんな未来になるのでしょう

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