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【エッセイ】好奇心は、猫も、精神も殺す

 好奇心は、猫も、精神を殺す。最近はそんなことを感じるようになった。
 自分の好奇心を刺激するものはなんだろうかと考えた時に、すぐに出てきたのはSNSである。良くも悪くも、好奇心が刺激されるツイートが流れてくる。
 親しい人のツイートを見るのは楽しいが、ツイート欄の中には、大量のリツイート数がカウントされたツイートが、時々紛れている。心が浄化される猫ツイートやエチエチイラストなら大歓迎なのだが、時折流れてくるのは炎上系のツイートである。
「いつ、どこで、誰かが、悪いことをした」
 誰も頼んでいないのに、炎上した経緯や内容等を一目で把握できるよう、わざわざ画像や動画にまとめてツイートしてくれる。
 そんなツイートが目に入ってくるので、見たくもない情報が、瞬時に頭の中にインプットされる。現実ではこんなことが起こっているのかと、自分の生活に支障をきたすわけでもない出来事に、感情が揺れ動いて、「世の中クソだな」と悪態をつきたくなる衝動に駆られてしまう。
 そんな時は、舌打ちをしたり、嘆息をこぼしたり、インプットした時に生じてしまった負の感情を吐き出す。溜めるのはよくない。こういう時はもう二酸化炭素と共に吐き出す。
 しかし、悲しきかな。そういった炎上ツイートを見て、好奇心が湧く場合もある。
 炎上した内容を調べても、心が晴れるわけでもなく、むしろストレスしか堪らないとわかっていても、詳細を調べてしまう時もある。Twitterで、炎上ツイートに書かれている単語(ワード)を検索すると、湯水の如くその系統のツイートが一覧となって表示される。これがあまりにも精神衛生上良くないのはわかっていても読まずにはいられない。
 こういうことに時間を費やすなら、もっと有意義な時間を費やせと、足り己自身に喝を入れてみるが、やはりこれを止めるのは難しい。これはもうSNS中毒に片足を突っ込んでいる気がする。
 果たしてこのまま何も対策を行わないまま、SNSを見続けていると、自分の体と精神にどのような変化が起こるのか。好奇心と不安の入り混じった感情が湧き上がるのを感じながら、スマホのホーム画面に表示している『X』のアプリを起動させている深夜0時。


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