無駄について考える 使い切リストの人材マネジメント

スーパーの袋は家に持ち帰って中身を出したらいらないから買い物袋があれば無駄。このように考えるとわかりやすい。

やや難しい話だが、医療をサービス業として考えると、そのビジネスモデルにおいて、

患者と医者以外の医療スタッフはみんな無駄。

ここで注意しておくと、この無駄については私は否定的ではない。

潰れそうな病院はこの無駄の部分が働いていない。医者が多くの患者に手を焼いていて患者は患者で自分の病気と闘っている。医者以外の職員は定時に帰る。

定時に帰るスタッフが、病院の照明の電気代がもったいないと提案して病院全体が暗くなる。電子カルテの電源が5時過ぎにほとんど落とされる。手術を終えて疲れた外科医が電子カルテがなくて5分間カルテ探しで時間を取られる。医者が患者を治療する為の場である病院で、治療に支障が出てもみんな知らん顔。定時に帰るスタッフのライバルは包帯などの医療材料である。医療材料は治療に必ず必要である。

病院のサービスを規定する主な法律は医師法と医療法である。医師から指示を受けて医療行為をできるのは基本的には看護師である。そこから、チーム医療が派生して薬剤師や検査技師等の職種が医療行為をサポートするためにできてきた。

医療チームのリーダーである医師には必然的に仕事が集中してしまう。歴史的にはそれを解消するために様々な職種が認可されてきた。

この無駄の部分の処理能力が低いと、そもそも全ての病院の業務は医師の仕事なので医師にその仕事が上がってくる。

いい病院はこの無駄の部分がしっかり機能していて、医師はより付加価値を生む高次の業務に集中できる。ダメな病院はこの無駄の部分が無駄のままで付加価値を生まないためキャッシュフローを圧迫し始める。

医療サービスの本質は、様々な意見があるかもしれないが、ズバリ、生命予後の改善である。病院の赤字経営とは十分な付加価値を提供できていないことを客観的に示しており、良質なサービスを提供していれば、1時間でも2時間でもかけて遠くから患者は通ってくる。噂が噂を呼んで行列ができる。

赤字を強調しても前述のような前置き無くして赤字の改善は見込めない。このような業務改善を置き去りにしても大半の医療機関が生き残っていられるのは医師の名称独占ならびに業務独占によるところが大きい。

一方で、対照的な経営をすることで成功する業種もある。これについては謎かけにしておく。今日はこれくらいにしておこうとおもう。




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