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「ニッパチ」を振り切る古都の伝統と計略

昨日はラッキーなことに『BAR K36』という清水寺の近くにあるホテルのルーフトップバーで、京都の伝統的な行事である五山の送り火を初めて観覧することができた。「大文字焼き」とも呼ばれる行事で、あの有名な「大」の大文字焼が山に描かれるだけでなく、小さい「大」や「妙」「法」に加え、船と鳥居の絵も焼き文字として描かれる。
この行事では、死者が蘇って南無妙法蓮華経を唱えながら船で旅をし、最終的には鳥居をくぐってあの世に戻っていくという一連の流れを、5つの山を使ってストーリー仕立てで焼き上げていくのだ。

その手間を考えれば相当なものだと思う。しかし、このような伝統的で手間と時間を要する行事であっても、京都の人たちは昔から何世代にもわたり大切に受け継いできた。
それにより、季節ごとに観光の目玉となる行事が設けられており、常に観光客の注目を集めている。

飲食業界やサービス業界には「ニッパチ」という言葉がある。2月と8月にはお客さんが激減することを表す言葉だ。
しかし京都は8月のお盆期間に多くの人たちが地元に帰省するなか、鴨川の川床やこの送り火で多くの観光客を引き止めている。また、2月には昭和初期に廃れてしまった「節分お化け」という日本のハロウィン的なイベントをわざわざ平成の世になってから花街で復活させている。
京都が世界的観光地であることは言わずと知れたことではあるが、その背景には歴史的観光資源に頼るだけでなく、こういった積極的な取り組みなどによる努力の賜物でもあるのだ。

現在、私は別府という、世界でも有数の温泉地で、お湯ぶっかけフェスを立ち上げる準備をしている。
別府は世界ナンバーワンの温泉地なのだが、京都のようなレベルの大規模なイベントはまだまだ少ない。
だが、逆に考えれば“まだこれから伝統やイベントを作り上げる余地がある” ということでもある。
さらに多くの観光客が訪れるようになるためには、注目を集めるイベントを増やしていくことが鍵だろう。世界中から別府を目掛けて観光客が来るようにするには、それが一番だ。別府という街は、一度でも来れば、再び訪れたくなるような魅力的な街であることは間違いないのだから。

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