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SmartHRが目指す、一貫性ある循環型のBtoBマーケティング

こんにちは。
SmartHRの岡本(@takaokamoto1)です。
マーケティング・広報グループとコミュニケーションデザイングループを率いている者です。

SmartHRは、2021年6月8日に総額約156億円のシリーズDの資金調達を実施しました。プレスリリースに記載のある通り、調達した資金の使途として、さらなる事業成長のため、幅広いマーケティング活動への投資を継続していきます。

調達額の規模と比例するように、マーケティング活動への投資も時間経過とともに大きなものになり、マーケティング組織のメンバーも総勢34名(2021年7月1日時点)になりました。国内のBtoBマーケティングの組織としてはかなりの大所帯になり、組織の成熟度も高まり、その成果もかなり高いレベルになってきました。

コンテンツマーケティング、リードジェネレーション、ブランドマーケティング等の各分野の成果については下記の記事を是非読んでみてください。

SmartHRで実施してきた「これマジで良かった」コンテンツマーケティング施策 7選
「YoY 200%」SmartHRリードジェネレーションデジタルの成長軌跡とこれから
「展示会来場者7割減」でもリード獲得増加を実現した、SmartHRのイベントマーケティングのプロセスを公開します
コロナ禍でターゲットインサイトをとらえた広告が話題!SmartHRのマーケティングに迫る

シリーズDの資金調達を更なる成長の機会として、SmartHRの事業成長への貢献は当然ながら、他社に模範・理想とされるBtoBマーケティング組織を作り、世の中のマーケターが真似したくなる、参考にしたくなるような施策、成果をアウトプットし続けていきたいと思います。

今回のnoteでは、私がイメージしているBtoB企業における理想的なマーケティングについて書きます。

マーケティングからカスタマーサクセスのコミュニケーションに一貫性したストーリーを持たせる

理想的な組織へのポイントの一つ目は「マーケティングからカスタマーサクセスのコミュニケーションに一貫したストーリーを持たせる」です。最近は、The Model型の組織形態を導入する企業が多くあると思います。マーケティング、インサイドセールス、セールス、カスタマーサクセスの4つ組織で分業し、それぞれリード獲得、商談創出、受注、継続利用をミッションに持ち、効率的かつ、高い成果を生み出すものです。現状でも素晴らしいものですが、これをアップデートしていこうとしています。

なぜやるのか?というと、SaaSマーケのもやもやを解消するため、The Modelの壁に挑戦したいにもあるように、顧客のフェーズごとに、対応する組織とコミュニケーションが分断される体制であることが改善のポイントです。企業側からみると、分業は一見すると組織運営の効率化、成果の最大化を生み出すものですが、顧客目線からするとその企業との接点、体験に一貫性に欠け、ブランド・コミュニケーション体験としてベストなものにはなり得ません。

このThe Model型組織の弱点をマーケティングの力で補強し、顧客へ一貫性のある心地よい体験を提供し、多くの企業にSmartHRを選んでいただけるような関係性を築いていきたいと思います。

では、これをどうやって実現させていくのか?
土台になるのは、マーケティングの強みを活かすことです。強みというのは「1対Nのコミュニケーション」です。もう少し具体的に書き換えると、「可能な限り企業・人の状態にあわせてカスタマイズされた1対Nコミュニケーション」になります。なんとなく日常でも体感されていると思いますが、個別最適化されたサービスやメッセージに、人はその価値を強く感じ、好感を持ちます。顧客の情報(データ)を活用し、適切な相手に最適なタイミングで欲しい情報を伝える。まさにマーケティングの得意とするところ一貫したストーリーを伝える土台になるものです。

次に、一貫したストーリーについてです。
こちらは、前述の「YoY 200%」SmartHRリードジェネレーションデジタルの成長軌跡とこれからにも記載のあるパーセプションフロー・モデルをベースに設計をしています。マーケティング~カスタマーサクセスまでのフェーズで必要なコミュニケーションを設計し、組織全体に浸透させ、各タッチポイントで動く施策に一貫性を持たせていきます。

パーセプションフロー・モデルとは
パーセプションフロー・モデルは、Coup Marketing Companyの音部大輔氏によって考案されたマーケティング・マネジメントのモデルです。一連の購買行動プロセスを「自然な認識変化の流れ(パーセプションフロー)」として描き、組織的な協働を可能にするマーケティング活動全体の設計図です。その習得と活用により、チームの連携だけでなく、マーケティング計画の早期立案や、規則的な活動の実行管理が可能になります。全体設計に基づいて、個々の活動を規則的に改善できるため、確実にマーケティング効果を向上することができるのです。

そして、それをどう表現して伝えるか、どう感じてもらうかの一貫性。この役割はコミュニケーションデザインの組織が横断的に担っていきます。詳細は、SmartHRのすべてのタッチポイントにコミュニケーションデザインを。に譲りますが、コミュニケーションデザインの組織では、強みのスキル・関わる制作領域の特性を軸に、Visual-comm・Direct-comm・Brand-commの3つの専門組織で分業しつつも、柔軟に連携し、SmartHRに触れたすべての人が、どの瞬間であっても「SmartHRらしくポジティブに感じられる体験」をカタチにし、ストーリーの一貫性を強く印象付けていきます。

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カスタマーサクセス→マーケティングへのコミュニケーションパスも作る

ここまでマーケティングからカスタマーサクセスに焦点を当ててきましたが、カスタマーサクセス→マーケティングの部分も着目しています。カスタマーのサクセスを新規ユーザーの集客に活かすことです。アドボケイト(擁護者、推奨者)やアドボカシーマーケティングという言葉がありますが、ユーザー自身が体感しているプロダクトの提供価値を自らの言葉で伝え、新たなユーザーへの魅力付けを行うことを推進する、サポートする取り組みで、サクセス事例コンテンツやユーザーコミュニティがこれにあたります。

カスタマーサクセス→マーケティングのコミュニケーションパスは、SaaSのコンセプトに則り、顧客の求める価値を持つプロダクトやそれを包み込む顧客体験を継続的に提供し続けるSmartHRだからこそできる、大きな効果を生むものだとも思います。

まとめ

「マーケティングからカスタマーサクセスのコミュニケーションに一貫性したストーリーを持たせる」「カスタマーサクセス→マーケティングへのコミュニケーションパスも作る」をまとめると下の図のようなイメージになります。

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新規リードの獲得から検討、導入、継続利用、利用者による推奨行動までのプロセスが一つの「円」になり、循環を作り、SmartHRに持続可能な発展をもたらすサステナブルなマーケティングを展開する。それがSmartHRの理想するマーケティングです。

最後に

今回はSmartHRの理想とするマーケティング組織を書いてきましたが、これはリード獲得以降の組織についてだけで全てではありません。SmartHRのマーケティング組織には、リード獲得の以前の認知獲得のフェーズ、ブランドマーケティングや広報・PRの領域もあります。こちらについては、また別の機会があれば書きたいと思います。

ではまた。


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