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「展示会来場者7割減」でもリード獲得増加を実現した、SmartHRのイベントマーケティングのプロセスを公開します

はじめまして!SmartHRマーケティンググループの門脇(@kadowaki__k)です。「リードジェネレーション イベントユニット」という計6名在籍する組織のマネジメントをしています。

イベントユニットの主な活動は、「展示会やセミナーなどを通してSmartHRの顧客向けにマーケティング施策をおこなう」というものです。

SaaS業界の知識がある方へ説明しますと、
イベント施策経由の「ISへ引き継ぐリード数」と「ISの商談獲得への貢献度」をKPIにリードジェネレーションに取り組んでいる、とお考え頂くとイメージし易いかもしれません。

そういったイベントマーケティングですが、タイトルにもある通り、直近大きな環境変化がありました。
SmartHRのイベントマーケの変化も交えて、ざっくり概要をお伝えすると、

・コロナの影響により「出展した展示会の来場者が7割減少」した
・イベントのオンライン化を進め「リード獲得数はYoY+80%増加」した

という状況でした。
つまり「新領域であるオンラインイベントが急速に拡大」しています。
以下、それぞれについて少し具体的にご説明します。

数値で見るBtoBイベントの環境変化

SmartHRに限ったデータではありますが、コロナ禍によってどの様にイベントを取り巻く環境が変わったかをまずご紹介します。

イベントユニットは主に展示会・自社主催イベント・協賛カンファレンスを実施しています。
この内、展示会は2020年3月以降、コロナ禍で大きい痛手を受け、当社の出展展示会も延期・中止が相次ぎました。

開催された展示会の来場者数も減少しています。
2021年1〜5月にSmartHRが出展した展示会は、「コロナ禍以前との比較で、展示会来場者数が約70%減少」という厳しい環境になっています。
(注1)

一方、セミナーを中心にイベントのオンライン化を進めた結果、展示会への逆風を埋め合わせ、冒頭の「イベント経由のリード数はYoY+80%成長」に繋がっています。
(注2)

上記の変化もあり、イベントマーケ領域で手法の多様化が進んでいます。
特に「オンラインイベントはオフラインよりも、短期間で開催できる」ため、時流に沿ったイベントが実現可能となりました。
結果、イベントマーケターにとってのプランニングの重要性が高まっていると感じています。

それでは、展示会・オンラインイベントそれぞれについてご説明します。

展示会の費用対効果をキープする工夫

展示会は1年以上前に出展申込することで「会場内メイン導線に近い好条件のブース小間」を確保し易くなる傾向があります。
(継続的に展示会で成果を出したい企業様にオススメです)
SmartHRも各展示会の開催1年以上前に出展申込をおこなっており、2021年に展示会がどういった状況か、不透明な中でプランニングする状況にありました。

結果、感染防止対策のために「ブース内のデモ機・稼働人数に制限を設け、以前より接客可能なお客様の数を減少させる」ことを前提にブースを設計しました。

そのため、「商談化率向上」や「コスト適正化」を図り“費用対効果をコロナ前水準に保つ”ことを重視し、プランづくり・運営をおこなっています。

少し余談ですが、僕たちは展示会を“SmartHRをご存じない方との貴重な接点”と考えており、セールスだけでなく「普段お客様と接点が少ない者」もブース稼働するケースが多いです。
そういった状況でも接客の質を落とさないよう、ヒアリング事項の精査や事前オリエンは綿密におこないます。
前述の通り「商談化率向上」は直近より重要だったため、事前オリエンでのトークスクリプトの周知や、現場でのディレクションにはより注意を払いました。

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上記は4月に出展した展示会の現場写真です。実演販売士さん(@makasenshai1225)によるプレゼンテーションや、デモ機によるサービス説明などを実施しています。また、写真には映っていませんが、マス広告のビジュアルを装飾に活用したことで誘引にも繋がりました。
細かい現場レベルの工夫が身を結び、展示会施策合算で「『コロナ影響無しと仮定し、引いていた費用対効果』を約90%キープ」という結果になっています。
また来場者が減ったことで、相対的に温度感の高い方の割合が増え、展示会来場者数の減少ほど、商談創出に悪影響は生まれなかったと感じています。

今は逆風にありますが、SmartHRにとって展示会は今後も大事な施策であることは変わりません。状況が好転することを願いつつ、今後も積極的に投資を図っていきたいと考えています。
次に成長を牽引した「オンラインイベント領域」について、お話します。

イベントのオンライン化により生まれるメリット

当初は強制的に進んだイベントのオンライン化ですが、実施する中で以下のメリットが見えてきました。

・【1】遠隔の方が参加し易くなった。
・【2】MA・配信ツールを駆使することで、お客様の状況についてよりヒアリングできるようになった。
・【3】会場確保・有形物制作などの物理的な制約が減り、かつ最新のツールを駆使できる様になったことで「制作に必要なリソースが減少」した。
・【4】イベントが持つ「動画コンテンツとしての価値」が上がった。

これらのメリットは、イベントの在り方を変えるインパクトを持っています。例えば【3】の影響を受け、施策数は増加し
「2021年1月〜5月は134件の施策を実施(件数はYoY+100%以上増加)」しています。
同期間の営業日は99日のため、1.35施策/1営業日で実施しているペースです。

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また、当社個別の事情もあります。
SmartHRは以前からマーケへ積極的に投資してきたため、オンラインイベントに移行する以前からリード保有数が急速に増加・データ整備が進んでいました。
そうした、「既に接点があるお客様へイベントをご案内できる状態」がオンラインイベント集客の要となっています。
このいわゆる“ハウスリード”と呼ばれる領域は、別組織である「リードナーチャリングユニット」がSmartHRのコンテンツを俯瞰し、全体最適の実現に取り組んでいます。
では、こういったメリットを活かしつつ具体的にどういった施策をおこなっているか、一部例をご紹介します。

SmartHR主催のセミナー

オンラインイベントの中に、自社で企画・登壇者アサイン・配信をする「SmartHR主催のセミナー」があります。

自社主催セミナーにおいてまず重要なのは、お客様にとって「役立つ・訴求力のある企画」の立案をすることです。
企画の立案後は「【1】ハウスリードのお客様への集客」「【2】外部媒体様経由での集客」で集客をおこないます。

【1】は前述のリードナーチャリングユニットと連携し内製で完結します。情報共有などの連携は欠かせませんが、社内で完結する分、イベント担当側のプロセスは比較的シンプルです。

一方【2】に関しては、複数の媒体様とのデータ連携や制作プロセスを、効率良くデザインする事が重要で、この点は日々カイゼンしつつ、新媒体様・メニューの開拓も並行しておこなっています。

この「企画立案〜集客」サイクルが洗練されるに伴い、自社主催セミナーの成果は一貫して伸びています。

例えば、2021年6月に開催した下記バナーのセミナーは、550名以上の申込(内、約80%の方が視聴)となりました。

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2021年5月以降、申込者数500名規模の自社主催セミナーは複数開催しており、継続的に効果を出せる施策に育っています。

大型自社カンファレンス「SmartHR Next 2021」

2021年6月22〜24日に大型自社カンファレンス「SmartHR Next 2021」も開催しました。

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通常の自社主催セミナーの範疇を超え、運用広告・プレスリリース・登壇者アサインなど社内外を大きく巻き込んだ、一大カンファレンスとなっています。
通算で4,100名以上の方にお申込頂き、大きな反響を頂きました。
余談ですが、本イベントはコンセプトメイキングから現場統括まで、入社1年未満のメンバー達がオーナーを持って実現させています。(スゴイ!👏)

今後のリードジェネレーションイベントについて(&採用募集のお知らせ🙋🏻‍♀️🙋🏻‍♂️)

SmartHRは直近シリーズDラウンドで156億円の資金調達を行い、これからより事業成長に投資して行きます!(プレスリリースはこちら

リードジェネレーションイベント領域においても、
・オンラインイベントの動画コンテンツ化の加速
・昨年新設された東海・九州拠点でのリード獲得 
等々、ここに記載できないもの含め、事業拡大に伴う課題や実現したいことがたくさんあります!

BtoBイベントマーケで、事業を一緒に牽引してくれる方を募集中です!
最後に採用の告知です!
環境の変化を追い風に、イベントマーケはよりリードジェネレーションを牽引する存在になると考えています。
そんな中、BtoBマーケティングの領域で模範となる様な施策の実現に向け、一緒に取り組んでくれる方を募集中です!

詳細はこちらに掲載していますので、ご興味ある方はご応募お願いします!

▼参照記事
・「マーケティング組織全体」について知りたい方は、VP of Marketing岡本がまとめたこちらのnoteをご覧ください。

・「リードジェネレーションデジタルの成長軌跡とこれから」について知りたい方は、マネージャー鈴木のこちらのnoteをご覧ください。

・「SmartHRが2020年の緊急事態宣言明けに出展した展示会」について知りたい方は、同グループの磯がまとめたこちらのnoteをご覧ください。
(注1)
・来場者数は出展した複数の展示会を合算し算出しています。
(注2)
・リード数YoYは「当社上期(1月〜6月期間)」で比較しています。
・リード数の定義は「ISへの引継ぎリード数」指標です。



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