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第14話:逆子は赤ちゃんからの優しさ。お腹を蹴られる妻はまるでアシタカ「アフリカから帰ってきたニート夫と娘の成長期」

妊娠から半年、帰国して初めてのエコーで僕たちの赤ちゃんが骨盤位であることがわかった。いわゆる逆子ちゃんだ。

お腹の中の赤ちゃんは通常、頭を下に向けている。産まれる時も頭から先に出てくる。逆子ちゃんというのはその逆、つまり頭が上にあり、足が下にある状態。


体が小さいうちは羊水の中を泳げるので逆子ちゃんであることはそこまで珍しくない。しかし、30週前後で逆子ちゃんのままだと「逆子体操」と呼ばれるストレッチをして、「戻れ〜戻れ〜」と毎晩念じることとなる。

また、出産時に逆子ちゃんである可能性も3-5%程度と言われており、その場合、帝王切開で出産することになる。

そんなわけなので、病院や助産院に行った時に「逆子ちゃんですね〜」と言われるとドキッとする。ほとんどの場合、自然に治ると聞いていても初産だと尚更、不安が気持ちが押し寄せる。

ただその時に掛けられた、助産院の北田さんの言葉に僕たちは救われた。

「お母さんがしんどくないように逆子ちゃんでいてくれてはるんやね〜頭が下にあると圧迫されてお母さんがしんどくなるから。働いていたり忙しくしたりするお母さんだと赤ちゃんが優しさで、そうしてくれてはるんです〜。」

逆子ちゃんにも、他のさまざまな状態も赤ちゃんからのメッセージだそうだ。

言葉をまだ話せない、ましてやお腹の中の赤ちゃんの聞こえない「声」を聞いてきた北田さんだからこそ言える言葉だった。

普通なら不安になってしまう逆子ちゃんを「優しさ」と表現したことに感動した。
そして知らなければ無視していたであろう我が子の優しさに気付くことができた。

そういえば、この頃になると胎動も徐々に大きくなってきており、エコーでも顔などを確認するこができた。しかし、我が子はゴールキーパー日本代表のように死守しており、性別は分からなかった。

ただ口をもぐもぐしていて、羊水をグビグビ飲んでいた。羊水の味は流石に覚えていないが、羊水を飲む我が子は最高に可愛い。
ちなみに胎動がかなりリズミカルに継続して感じられる時は、しゃっくりをしているらしい。他にも指の開閉や足や手の曲げ伸ばしなど、胎児には10種類くらいの運動パターンがあるらしい。

胎動が激しくなってくるとお母さんだけでなく、外から見ても蹴っていることが分かるようになる。時々、電車などでもお腹をさすっている妊婦さんを見かけたことはないだろうか。


あの光景は赤ちゃんに呼びかけてコミュニケーションを取っている最中なので優しい目で見守ってほしい。僕も微笑ましく見ていたのだが、妻が言うにはどうやらそれどころではないらしい。

僕目線では「あ〜赤ちゃん動いてるね〜可愛いね〜♡」と思っていたのだが、実際は

「黙れ小僧。」

「鎮(しず)まりたまえ、赤子よ。さぞかし名のある赤子と見受けたがなぜそのように荒ぶるのか」

らしい。
我がもののけ姫を鎮めるためにお腹をさすっているらしい。例えるなら、「タタリ神の呪いで疼くアシタカの腕」だそうだ。

© 1997 Studio Ghibli・ND 
https://www.ghibli.jp/works/mononoke/



誰かに共感してほしいとTwitterで検索すると結構ヒットしていたので、世のお母さんがお腹をさすっていたら、アシタカの気持ちで闘っているんだなと思って欲しい。

これから産まれ来る心優しき「もののけ姫」を育ててくれている奥さんに感謝を込めて。


第14話は以上となります。今日も読んでくださりありがとうございます!
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