ブラジルひとり旅(4)
ブラジル生活10日目。
合間、日本の家族や友人にLINE通話で電話して寂しさを紛らわせながら練習して家で寝てという生活を繰り返す。
毎日自炊していた訳ではなく偶にインドカレーや日本食を食べにダミアンと共に外出していた。
(アジア人街、リベルダージでのダミアンとの1枚。)
ここでシェアハウス内に新しい住人が入ってくる。私にとって大きな転機だ。
バルボーザジムで柔術をする為に韓国から黒帯の40代、通称ボスと20代前半の紫帯が2人の計3人組である。
3人とも英語すら話さず、ハングル語だけでブラジル生活を乗り切ろうとする猛者だ。全く何言ってるか分からない。
そしてこのボスがなかなかの曲者だ。
ダミアンと私がキッチンで料理しようとすると横から割り込んできて全ての料理に、持参してきたコチュジャンを投入しようとしてくる。
実際、1日目は投入されて皆で食べたが韓国3人組は全くお金を出さず我々が買った肉を平然と食べ続けるので2日目は拒否したが強引に入れようとしてきた。しまいにはコチュジャンを分けてやるから肉を買ってこいと無茶苦茶な事を言ってくる。
同じシェアハウス内だが距離を空けないと、こちらの食べ物も無くなってしまうのでダミアンと共に徐々にフェードアウトする事に。
ある日、冷蔵庫にて前日に購入した玉ねぎを食べようとしたら無い。冷凍庫に入れていたアサイーも無い。
ダミアンに食べたか聞いたら韓国のボスが食べていたと。
流石にそこまで大金を持っていた訳でもなく、他人に食べさせる義理も無いのでオーナーに、人の物を勝手に食わないように注意しろと訴えた。
するとオーナーは、勝手に食べられたら勝手に食べ返したらいいんだよと言ってきた。
いや、コチュジャンしか無いやん。と思いつつ、勝手に食べられたら怒るでしょ?と訴えるも聞く耳を持たないので、とりあえず冷蔵庫内に置き紙をして勝手に食べられないように対策した。
置き紙作戦と距離を空ける事で事なきを得た。
ジムも同じなので練習等でこれからもちょいちょい被害を被る事になるが、とりあえず顔を合わせない事で被害を最小限にした。
そして次の日、恩師のダミアンが帰国する日だった。
ダミアンはコーラが大好きで2リットルの空きペットボトルがベットの下に10本くらい散乱してあった。間違いなく糖尿。
糖尿は心配ではあるが、サンパウロ内を案内してくれたりダミアンのブラジルでの友人を紹介してくれたり本当に感謝してる。
なにより他にたわいも無い話を出来る相手も居らず、私の拙い英語でも聞いてくれる心を許した友人が帰国するのは辛かった。
今考えると甘えていたのかも知れないが、ダミアンの存在は凄く大きかった。
今でもたまにInstagramのメッセージでバカ話をする仲だ。
そしてダミアンが帰国して1人のブラジル生活がスタートする。
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