ゴールデンウィークの山陽新幹線は利用客減少😢
引き続き、ゴールデンウィークの
利用状況からJR西日本の利用状況を
見ていきたい。
山陽新幹線では、「のぞみ」全席指定化の
影響がもろに出た。
■東海道との利用客の差が顕著に
「のぞみ」号の全席指定化が実施され、
2003年以降初めてのゴールデンウィーク。
山陽新幹線では、「のぞみ」の利用が
大幅減。
「さくら」「みずほ」の利用が大幅増という
結果になった。
また、東海道新幹線では、利用者が
増加しているにもかからず山陽新幹線は
伸び悩んだ。
■このデータからわかること(東海道新幹線)
東海道新幹線は全ての種別で昨年より
増加していること。
また、自由席連結で各駅停車でない
唯一の「ひかり」の利用が大幅に
増えていること。
東海道新幹線で昨年と大きく異なるのは、
北陸新幹線延伸で首都圏から福井への
利用客の多くが北陸へ流れ、
米原駅を利用する「ひかり」利用者が
大幅減少しているはずであること。
それにも関わらず、「ひかり」が大幅増加
していることは東海道新幹線の潜在的需要が
まだあったということが伺える(推定)
■このデータからわかること(山陽新幹線)
「のぞみ」の利用客が大幅減少。
「みずほ」「さくら」の利用が伸びている。
これは、従来「のぞみ」の自由席を
利用していた層が移ったものと思われる。
トータルでは、微減となり東海道新幹線と
山陽新幹線の利用者数の差が
さらに顕著になった。
■数少ない自由席連結新幹線にしわ寄せ
東海道新幹線の「ひかり」号、
山陽新幹線「みずほ」「さくら」号の利用が
伸びている。
これは、自由席があるかどうか。
おそらく「さくら」「みずほ」の自由席が
ものすごい混雑になったのは想像に難くない。
■山陽新幹線「のぞみ」は指定が取りやすい
ただ、「のぞみ」号は大量に臨時運転
されていたので、割と直前でも予約が
取ることができた。
東海道新幹線は「のぞみ」号をあれだけ
運転しても直前予約はかなり困難なので、
東海道・山陽を跨ぐ区間では
それはできないが山陽で完結する
区間なら可能だった。
■安く、座って行きたい人
それを考えると「さくら」「みずほ」の
自由席に殺到するのは価格差が大きく
少しでも費用を押さえたい利用者が
いたのは確かだ。
■今後のJR西日本の施策
この結果をJR西日本がどう考えるかだ。
様々なシナリオが考えられる。
①東海道直通の「のぞみ」を少し減らす。
「のぞみ」が予約の取りやすい状況
だったのでありうる。
②「さくら」「みずほ」も全席指定化。
これは、JR九州との協議も必要で、なかなか
難しいかもしれない。
③新大阪始発、16両の臨時「ひかり」の設定。
これは、利用者目線で見ると非常にありがたい
設定のように思える。
■JR西日本の収支という観点から
JR西日本はできるだけ自由席を設定したくない
という思いがあるはずだ。
また、この時期の指定席と自由席の価格差は
約1000円で新大阪ー広島間の利用なら
約1割の値段差。
事業者目線では、客単価が上がる。
つまり同じ収益をあげるにしても
10%客が減っても同じ収益になるということだ。
臨時「ひかり」が運転されると
今まで指定席をとっていた人も
転移してくるリスクがある
そこで、臨時「ひかり」の設定はなく
「さくら」「みずほ」の全席指定化の方が
可能性はあると考える。
■感想
少しだけ思ったこと。
昨今、日本の国内観光地では、
インバウンドによる「オーバーツーリズム」
として混雑が問題になっている。
しかし、帰省ラッシュなども日本人による
「オーバーツーリズム」のひとつといえる。
こんなシーズンには新幹線などの長距離列車に
立って乗るのが当たり前だった。
これは、やはり、異常な状態だと思う。
今回、東海道新幹線と山陽新幹線で
利用客数の差が顕著になった。
ただ、山陽新幹線で最も多く走る「のぞみ」号に
直前でも予約ができる状況になったということは、
「オーバーツーリズム」少し解消しつつある
ということかなと思う。
また、全席指定化で指定席利用者の比率は
上がった思われるので客単価は上がっている。
おそらく、利用客減少分より増収に
なっているかもしれない。
そう思うとこの状況は好ましいのかもしれない。
。
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