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カオスな準急列車(阪急) 

「宝塚発準急大阪梅田行き」というとどのような列車を想像されますでしょうか?これは、実は平日の朝ラッシュ時しか運転されません。また、反対の「大阪梅田発準急宝塚行き」は運転されません。 
 まあ、これだけでも迷要素が多いのですが、これだけではありません。経路が異なる2つの種類の「宝塚発準急大阪梅田行き」が運転されます。1つは、宝塚本線を辿る列車。もう一つは、今津北線から神戸本線を辿る列車です。 同じ、阪急の宝塚駅を出発して同じ阪急の大阪梅田駅へ行くという不思議な感じです。そして、どちらも平日朝ラッシュ時に運転されます。

宝塚発今津線経由の準急大阪梅田行きに乗車

 
 宝塚駅では、日中は3・4号線しか使われず1・2号線は閉鎖されています。しかし、朝ラッシュ時は今津線の列車は1・2号線から発車します。これは、日中では本数が少なく接続を重視してのことです。 
 今津北線の朝ラッシュ時のダイヤは平均4分毎にあります。このうち当該の準急は15~16分に1本程度です。なお、使用される車両は今津北線内の列車は6両編成ですが、この梅田行き準急は神戸線所属の8両編成で運転されます。いずれも、西宮車庫から回送されていきます。6両編成の今津北線の車両は、阪急でもかなり古い部類の5000系が多くを占めます。リニューアルはされてますが昭和40年代の車両です。
 7:00発の列車に乗り込みます。宝塚の駅は高架で少し宝塚線と並行しますがすぐに分かれ、新しい宝塚ホテル・宝塚大劇場の横を通り武庫川の鉄橋を渡ります。すると、すぐに宝塚南口です。かつては、武庫川沿いに宝塚ファミリーランドがありましたがもう遠い昔のことですね。
 宝塚南口を出ると、高架を下り平坦を進みやや勾配を上り逆瀬川を渡ると逆瀬川駅になります。ここの横からは、六甲山へつながる道路もあります。ここを自転車で登ったことがあります。ここから、市役所通りを進むと宝塚市役所です。下り勾配で丘陵地を進むと難読駅名「おばやし」小林に着きます。小林聖心女子中高の最寄り駅で木立を上っていくと行けます。緩く下り上りを繰り返し、折り返し線と臨時用ホームを行き過ぎると仁川です。阪神競馬場が近く、競馬開催の時には2段階で停車します。臨時のホームは一般客が、本来のホームは競馬場来場者が乗る専用となります。折り返し線は同じく競馬開催の時に大阪梅田ー仁川で臨時急行が運転されたその折り返し線です。なお、臨時急行という名前ですが、この準急と同じ停車駅です。

甲東園駅で


 仁川から勾配を下っていき次の甲東園になります。関西学院・仁川学院・県立西宮高校・神戸女学院など学校がたくさんあります。山陽新幹線をくぐり厄除けで有名な門戸厄神です。この準急は、次は一気に神戸線塚口です。国道171号線をくぐり、西宮北口駅構内に入りますが、急なカーブに入りいったん停車します。これは先に神戸線の特急を通すためです。

西宮北口駅構内のカーブ上で一旦停止。一番後ろから見た感じ

神戸線に入り大阪梅田を目指す


同じく一番後ろから。右後方からの今津北線から神戸本線に合流したところ。
右は、西宮車庫。


 その後、神戸線に合流します。ここで一気に高速性能を出します。再び武庫川を渡ります。神戸線の武庫川橋梁は上下線で離れていますがここに将来、ホームを作り新しい駅ができるそうです。渡ると尼崎市です。塚口は伊丹線との乗り換え駅です。次の十三までがこの列車の最混雑区間です。ただ、塚口を出ると高架に上がり、JR宝塚線を越します。ただ、速度はゆっくりになります。原因は園田で普通は直前の特急を待避しますが当該の準急は待避せず発車します。そのため準急は普通の後ろを追いかけることになるからです。新幹線をくぐり藻川を渡り再び高架になり2面4線の園田を通過します。この辺りは、伊丹空港の着陸機も比較的大きく見えます。高架をすぐに降りて名神高速をくぐり猪名川を渡り、短い高架があり、神崎川を渡ると神崎川駅通過です。十三の手前では再度、新幹線をくぐります。ここまで宝塚からちょうど30分です。そして、阪急名物3複線で淀川を渡り中津を通過すると大阪梅田7:35着です。  

まだまだ、ある迷要素


 今津北線経由の列車は特急停車駅の西宮北口駅を通過します。また、通勤急行が停車する武庫之荘駅も通過します。しかし、この列車は通過する駅数は5駅とそれほど多いわけではありません。なお、宝塚本線の準急列車は通過駅はもっと少なく3駅のみです。 
 さて、迷要素のもう一点、この列車は十三ー大阪梅田間は同じ区間を走ります。(線路は異なりますが)なんと同じ「準急」と名乗るにもかかわらず、停車駅は異なります。宝塚本線の列車は途中、中津駅に停車するにもかかわらず、今津北線からの列車は通過します。ちなみに、同じ時間帯の十三→大阪梅田間の京都線には準急は走りません。もちろん、京都線の準急は中津駅にはホームがありませんので止まりません。

まとめ


・「宝塚発準急大阪梅田行き」は2種類ある
ラッシュ時のみ片道の設定
・今津北線経由は、特急や通勤急行停車駅を通過します
重複する区間では、停車駅が異なります


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