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鉄道会社VS地方自治体 を読んで

この本は、
株主に最大の利益をもたらしたい鉄道事業者と
鉄道に公共の福祉のような役割を求める
地方自治体の攻防や
これからの鉄道の姿に関する内容。


■赤字路線の存廃論議


 JRでは特に、営業係数の悪い路線を
抽出しその地元とこれからの地元の交通の
在り方の検討をしたいと会議の場を
設けようとした。

 すでに、鉄道の役割がほぼ終焉を
迎えた地域もある。

■鉄道廃止が地域衰退をもたらすわけでない


 地域の盛衰は、そこに産業があるか
どうかがカギで鉄道が通っているかどうかとは
あまり関係がない。

 地域人口が減っていないのに
鉄道利用者が減少している地域もある。

■北陸新幹線で笑った都市と泣いた都市

 金沢・佐久平は、特に成功した。

上越妙高は、在来線時代の直江津と
離れていて、高田ともやや離れている。

高岡も新高岡に駅ができて高岡市中心部は
さびれ気味である。

これら旧市街地と離れたところに新幹線の駅が
できてしまったところは苦しい状態だ。

■新幹線は、沿線に恵みをもたらすか


 最近できた、北陸新幹線敦賀延伸と
西九州新幹線はそれぞれ大阪・福岡という
大都市と直結しておらず
在来線特急との乗り換えが必要だ。

このため、新幹線開通の恩恵は限定的だ。

■新線・新駅計画と鉄道会社の未来


 都会の駅開発と地方の駅開発では大きく異なる。
都会は、新大阪・品川・新横浜が今後大きく
変わるようである。

 広島はもうすぐ完成予定で、来年には路面電車が
駅ビルの中に取り込まれる形となる。

 松山も高架化が完成するが、こちらは路面電車との
接続は離れるようである。

 この路面電車との接続が離れるケースは
長崎もそうであった。

しかし、駅前ながら駐車場を完備しており
駅利用者とショッピングの利用者は別と
考えているようである。

 ただ、路面電車との乗り換えが不便になったからと
言ってJR長崎駅の利用者が大きく落ち込んだ
という事はない。

■熾烈な生存競争が始まった公共交通の行方


 現場では、運転手不足が深刻に
なってきている。

特に、バスの運転手不足は深刻であり
赤字ローカル線廃止後の代替輸送手段としての
バス転換が難しくなってきている。

 そこで、近江鉄道のように積極的な
鉄道存続ではなく消極的な存続を
選ばざるを得ないケースが出てくると
思われる。

■感想


 誰も利用しないようなローカル線は
廃止すべきだ。

政治的な動きや情緒的な観念で
判断されるべきでない。

新幹線の延長に関しても地元都道府県単位で
利害のせめぎあいでいつまでたっても
現在の設備が有効に活用されない現実がある。


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