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ブラッシュアップ~JR奈良線~

令和4年にダイヤ改正に向けて


 JR奈良線は、令和4年のダイヤ改正に向けて複線化工事を行っています。京都~城陽間が全てと山城多賀~玉水間の複線化を行っているところです。

快速の運転開始


 元々、平成4年に快速電車が日中のみ走り始めました。これは、新快速でニートになった117系の第2の働き場の提供の要素が強かったです。この頃は、快速は日中のみで1時間毎の運転でした。停車駅も、宇治・城陽・木津の3駅のみでした。

一部複線化で利便性向上


 その後、平成13年の第1期複線化工事により京都~JR藤森間と宇治~新田間が複線になりました。これによって、快速は倍増され30分毎になりました。また、車両は221系と新しくなりました。この分けられた複線になったのは、快速の行き違いでできる限り運転停車をなくそうとするためという理由もあるようで、実際に乗ると上狛付近で行き違いする1回以外を除いては快速同士の行き違いで運転停車はなくなりました。
 この時に、大きく運転本数は増やされました。快速は3種類に分けられ日中の従来の快速は「みやこ路快速」に。快速は、宇治~城陽を各駅に停車。区間快速は宇治以南を各駅に停車します。
 ただ、JR藤森~宇治間の単線区間はボトルネックといえ、運転本数が片道当り1時間に6本以上あるにも関わらず線路容量に見合わない単線区間が残ってしまいました。

快速停車駅


 快速は、当初は3駅停車でしたが、現在では6駅停車となっています。増やされたのは、東福寺(京阪乗換)、六地蔵(京都市営地下鉄東西線乗換)玉水の3駅です。また、多客期は稲荷(伏見稲荷最寄り)にも停車します。

今回の複線化


 JR藤森~宇治間がメインになってきます。ここでは、桃山御陵の丘陵地に沿って斜面の近くを複線にする用地を生み出したようです。そして、宇治川の鉄橋はもう1本架けたという大工事です。

桃山御陵に近い桃山駅。奈良行きみやこ路快速もここで先に見える普通との行き違いで運転停車します。
桃山駅から六地蔵間です。真新しい線路にはまだ繋がっていません。左側が桃山御陵です。


新しい、六地蔵駅のホームです。地下鉄との乗り換えができる駅ですが、現在の位置は200mほど離れていましたが、今回の改良でかなり近くなります。このホームは現在のホームの京都寄りに延長するような形で作られています。


宇治川橋梁の少し京都寄りです。右側が新しい線路で別線で宇治川に架けられました。まんなかの新しい線路のすぐ近くに建っているのは京阪宇治駅です。

ライバルの鉄道路線


 京都~奈良間というと、近鉄と競合しがちですが、ダイヤ改正前では近鉄の方が優位です。近鉄は全線複線という事、有料座席の特急があったり、京都駅はほぼ同じ位置ですが、奈良駅は近鉄の方が中心部へ近いといったことが上げられます。ただ、近鉄は急行の減便と日中はほぼ京都~大和西大寺の運転となり乗換が必須になることがどう影響するか注目されます。また、近鉄は2023年に運賃値上げも控えています。
 なお、近鉄との競合は京都と奈良地区のほかには、JR新田と近鉄大久保駅が近接しているくらいです。それ以外ではあまり競合関係にはありません。宇治市や城陽市の中心部はJRが通ているのに対し京田辺市や祝園など学研都市などに強みを持つのが近鉄といえ、それぞれでテリトリーが異なる印象が強いです。
 それより、競合するのは伏見地区ですね。この地区は京阪も含めた3つ巴の様相です。伏見稲荷へは、JRの駅が最も近いです。ただ運転本数は京阪の方が多いです。
 宇治周辺は、すぐ横を京阪電車が走っています。同じ駅名でもやや離れていたりします。宇治市と京都中心部を結ぶのはJRの方が速いと思われます。また京阪宇治駅は宇治川を渡る手前で平等院や中心部からはやや離れています。

今回のダイヤ改正


 2023年3月ダイヤ改正からは全体的にスピードアップします。これは、行き違い時間の解消によるところが大きいと思われます。全体の底上げです。また、最高速度を95㎞/hから110㎞/hに上げられるようです。
 実質的に京都~城陽間は、完全な都市鉄道としての脱皮を図るといった感じですね。

まとめ


・全線単線から約7割が複線になり都市鉄道としての飛躍
・ライバル鉄道会社に対し競争力アップ
・沿線の魅力アップ


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