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高梨 蓮
2021年6月22日 18:53
「死に逝く蝉。」 最近、よく通路に蝉が落ちているようになった。コンクリートよりもせめて土、と脇に避けてやろうとすれば最後の力を振り絞り喧しく鳴いて僅かに飛んだ、その距離も近くて切ない。 蝉の寿命は短い。 ほぼひと夏、それを過ぎれば桜が散る如くに屍を晒す。 だが実のところ、それに特別の感慨があるわけではない。なんとなれば所詮定命、せみのひと夏、ひとのももとせ、いかばかりの違いならん。 む