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”いつも調整に苦労する人”に共通する3つの原因 - お願いではなく提案する -

エピソード

Aさん「xxxについてお願いできませんでしょうか?」
Bさん「うーん、ちょっと、、今忙しくて難しいですね・・」

対お客様、対社内、ビジネスにおいて依頼や調整は常々発生する。そんな中、”いつも調整に苦労する人”と”いつもすんなり調整ができる人”がいる。”いつも調整に苦労する人”を観察していると、ある共通点が見えてきた。突き詰めると、一番大きな原因は”お願い”になっていることだと思う。ポイントは、”提案”すること、”ありがとう”と言われる状況をいかに作れるか”共通の利害を探れるか”、である。

”いつも調整に苦労する人”に共通する3つの原因

1.”お願い”になっている

”いつも調整に苦労する人”は誰かに何かを依頼・調整するとき、”お願い”していることが多い。「すみません、xxのイベントに参加頂けませんでしょうか?」「すみません、管理資料に進捗状況の記載をお願いできませんでしょうか?」、など“お願い”になっている。相手の回答は「うーん、今はちょっと」「うん、、あとでね・・」になることが多い。
一方、”いつもすんなり調整ができる人”は、常に相手のメリットを考え、“提案”する。「○○について困ってらっしゃいましたよね?それに関連するxxのイベントを用意したので参加しませんか?」「目標達成のためのPDCA管理が課題なら、進捗を可視化してはどうですか?フォーマット作るのが大変?それであればこれを使ったらどうですか?」など。言い方の違いだけではあるが、相手の回答は「おー、ありがとう、助かった」になる。

2.”上からの権限”を使っている

”いつも調整に苦労する人”は、よく「xx部長が言っているので」「xx社長の指示です」と言う。言われた側は、一応それなら、、と渋々動いてはくれるが、乗り気ではないので対応が表面的になってしまう。気づいたら止まっていたり動いていなかったりする。
一方、”いつもすんなり調整ができる人”は、上記のように本質的に相手にとっての目的・目標を見ながら話しているので、相手も本心から自分自身のために動こうとする。

3.”別の貸し”に頼ろうとする

”いつも調整に苦労する人”は、「あの時、xxを手伝ったのだから今回はやってください」のようにいつかの貸し(もしくは今後の貸し)に頼ろうとする。これで受けてもらっても、結局は本質的ではないので2と同様になるし、疲弊してしまう。

ビジネスである以上、上位の目的を遡っていくと、必ずどこかで相手と共通の目的に到達する。社内であれば、ビジネス目標の達成など。対お客様であれば、ビジネス課題の解消など。いかに「ありがとう」と言われる状況を作れるか、が重要かと思う。(もしどうやっても作れないのであればその調整内容自体を再考したほうがよい)

そんなことを考えていたら、以前読んだ「Deep Skill ディープ・スキル」(石川 明著)に、以下のことが書かれていたことを思い出した。

「共通の利害」を探り当てるのが、交渉学の真髄である
では、どうすればいいのか?私が、この問題を考えるときに、いつも思い出すのは、かつて若い頃に慶應義塾大学法学部の田村次朗教授による「交渉学」の講義を受けたときのことです。なんとなく「交渉学」というと、心理学を駆使して相手を説得し、自分に有利な条件を引き出すといったイメージをもっていたのですが、先生の教える「交渉学」の真髄は、「立場から利害へ」ということにあったのです。これはつまり、「それぞれの立場にこだわるのではなく、それぞれの利害に着目する」ということ。これを聞いたときには、目から鱗が落ちる思いでした。

田村教授は、日本における交渉学の第一人者として、日米通商交渉やWTO(世界貿易機関)交渉等に携わってきた方ですが、そうした交渉においても、対立関係にある両者がお互いに「譲歩」することで交渉がまとまるケースはほとんどなく、相手の利益・関心利益・関心を引き出して、「共通の利害」を探り当てることこそが交渉を成功させる秘訣なのだそうです。

「調整」とは、関係性を正しく整えること
このように、対立を乗り越えるには、「お互いに〝譲歩〟することによって、〝妥協点〟を探る」のではなく、「〝共通の利害〟を探り当てる」ことが大切です。

石川明.DeepSkill ディープ・スキル
ダイヤモンド社
石川明.DeepSkill ディープ・スキル ダイヤモンド社

参考になった書籍

まとめ

  • 調整ごとは、”お願い”ではなく”提案”する
    (どう言えば”ありがとう”と言われる状況になるかを考える)

  • そのためには、”共通の利害を探る”ことが重要

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