【掌編】コンストラクション
どこからか聞こえてくるチャイムの音で、正午の訪れを知る。
「休憩」
残響が消えてから少しして、ボソリと声が聞こえる。首に巻いたタオルをほどいて、岸部は顔の汗を拭った。俺と北田はういっす、とやや力を込めた声で返事をする。岸部に手で促され先に足場を降りる。かんかんと鳴る金属の振動が昼間の静かな街に響く。俺たちは下まで降りてヘルメットを脱ぎ、ツールサックを外してむき出しのコンクリートに腰を下ろす。紺色のニッカポッカには乾いた木くずと石膏ボードの白い粉がこびりついている。俺はコン