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ビリヤニとピラウ。ケニアとタンザニアの思い出 プロローグ

東京の蒲田駅前の雑居ビルの前。新しくできたカレー屋さんの看板を見つけたは2022年8月のある日のことでした。

ガタゴトと揺れる古びた雑居ビルのエレベーターにやや不安を感じつつも、5Fの扉が空くと、窓から明るい日の陽がさしこむ空間にこざっぱりとしたテーブルと椅子が広がるダイニング。南インド料理を出すこのお店は、横浜の十日市場のルシインドビリヤニの2号店で、本店は知る人ぞ知るビリヤニの名店なんだそうです。

ここのビリヤニ、米がパラッとしてて美味しかったなぁ。

他にもマサラドーサという大きなクレープ状のものや、プーリ(全粒粉の揚げパン)など南インドの特色がある料理をランチで数回楽しみました。残念ながら、程なく会社を辞めて地方に引っ越してしまい、行く機会もなくなってしまいました。そんな今日この頃、久しぶりにビリヤニを思い出して自分で作ってみる事にしました。


〇ビリヤニとは?

wikipediaによると「ビリヤニ、ビルヤーニー(ヒンディー語:बिर्यानी biryānī)は、インド亜大陸のムスリムにその起源を持つ混ぜご飯料理である」とあります。

本格的に作ろうとすると大変に手間がかかりそうです。インド料理でいうビリヤニは、結婚式などの祝い事に出される贅沢なお料理みたいです。ざっくりと言うと、半分茹でたお米と別途作ったチキンやマトンなどのカレーを一つの鍋の中に交互に重ねて蒸したお料理。お米がターメリックに染まって黄色い部分と白いままの部分があって、様々な香辛料やフレッシュハーブが使われていて、リッチでエキゾチックな料理という事になります。

今回は、半分茹でた米ではなくスパイスを入れて炊飯器で炊いたご飯をフライパンに薄く敷いて、別途作ったチキンカレーを上に乗せて10分弱火で加熱してから10分蒸らすという方法で手軽に再現を試みたレシピを見つけたので、その方法で作ってみました。レシピは文章の最後に。

〇ビリヤニと似て非なるピラウ

ところで、私の初ビリヤニはインドではなくケニアでした。2007年の正月にエジプトを出てから、2月にアフリカ2か国目となるケニア、6月に5カ国目となるタンザニア(ケニアの南隣)を旅しているのですが、両国でビリヤニを食べています。そしてビリヤニよりも高頻度で食べてたのはピラウでした。

自分の旅の順番から、ピラウに出会ったのはアフリカが最初でしたが、後にトルコと中東でも多く出会いました。インドではプラオ、フランスではピラフと呼ばれるようです。日本のピラフは元来フランス経由なんでしょうが、洋風の味付け炒飯をピラフと呼んじゃってるお店もあるくらい自由に変化していますよね。

ピラウは、生の米を油で炒めて、場合によっては肉や野菜を加えて、香辛料とスープストックで炊いた炊き込みご飯。ネットの情報ではトルコから世界各国に広まった説とインド発祥説があるようですが、中東を通じてアフリカまで伝播している事を考えると個人的にはトルコ起源説に一票を投じます。

〇アフリカでのビリヤニとピラウの違い

そんな起源をもつビリヤニとピラウですが、ケニアとタンザニアでの扱いとしては、ビリヤニの方がご馳走感が強かったです。

ビリヤニは白米あるいはサフランライスにピーマンなど美しい野菜が入った物に、肉や魚介を使ったトマトベースのスパイシーなソースが添えられていました。お皿の上でご飯とソースの比率は6対4、あるいは五分五分。

ピラウというと茶色っぽい出汁の効いた炊き込みご飯で、上に一緒に炊き込んだと思われる肉あるいは魚が乗っている事が多かったです。米と上に乗った肉などの比率は9対1という感じ。ケニアではほろ苦い野菜の油いためと、ご飯にかけて食べるスープがついてくる場合は一般的みたいでした。

お値段はビリヤニの方が高くて、扱っているのも観光客が来そうなレストラン。一方のピラウは地元民も来る掘っ立て小屋の食堂にも置いてある料理でした。観光地で外国人目当てに出されるハンバーガー、スパゲッティなんかよりも、ピラウは絶対に安くて美味しい。あちこちの街でお世話になった味でした。

ということで、アフリカ大陸で出会ったビリヤニとピラウのお話、旅の思い出話と絡めて、この後、続編で書いていきたいと思います。

今回作ったビリヤニのレシピはこちらです。参考レシピのポイントは、ご飯とカレーを別々に調理しているところ。本格派ビリヤニに近い事を再現していると思いました。

スパイスだけの白飯、カレーと一緒になった部分、ライタがかかって爽やかになった味わいなど、一皿で様々な味が楽しめる一品となりました。

<参考レシピ>

DELISH KITCHEN
スパイスたっぷり本格派!
ビリヤニ


★ 『ビリヤニ』
<材料 4人前>

  • 米 2合 ※バスマティライスなど長粒米が望ましい

  • 鶏ドラム 6本

  • 玉ねぎ 1/2個

  • おろしにんにく 小さじ1

  • おろししょうが 小さじ1

  • トマト缶 ホール1個

  • ミント 1袋

  • 米油 適宜

<材料 鶏ドラム マリネ用>

  • ヨーグルト[無糖] 大さじ4

  • レモン汁 小さじ1

  • 塩 小さじ1

  • クミン 小さじ1

  • コリアンダーパウダー 小さじ1

  • チリパウダー 小さじ1/2

  • ターメリック 小さじ1/2

  • S&Bカレー粉 小さじ1

<材料 ライス 炊き込み>

  • ローリエ 1枚

  • シナモンスティック 1本

  • カルダモン 2粒

  • クローブ 2粒

  • 塩 小さじ1

<材料 ライタ>

  • ヨーグルト[無糖] 大さじ8

  • キュウリ 1/2本

  • ピーマン 1/2個

  • 塩 少々

  • クミン 少々

  • パプリカパウダー 少々

<作り方>

  1. 玉ねぎは薄切り、ミントは手でちぎっておく

  2. ライタ用のキュウリとピーマンが5mm角に切っておく

  3. ライタ用の材料を全て混ぜて冷蔵庫に保存

  4. ビニール保存袋に鶏ドラム、マリネ用の材料を入れて揉みこみ30分から一晩冷蔵庫でマリネする

  5. 炊飯器に米、規定量の水、ライス炊き込み用材料を入れて炊く

  6. フライパンに米油を熱し、玉ねぎを入れて最低10分、茶色くなるまで炒めて、おろしにんにくとしょうがを加える

  7. 6に4のマリネしたチキンをマリネ液ごと加えて中火で3分加熱後、圧力鍋で圧力2、25分加熱

  8. 7で空になったフライパンに5のご飯を敷き詰め、上に5とフレッシュミントを乗せて蓋をして弱火で10分、火をとめて10分蒸らす

  9. フライパンの底からざっくりすくって器に盛る

  10. 3のライタをかけるなどして食す

お米、炊き込み用材料を炊飯器に入れて炊く(冷蔵庫に茹で筍もあったから入れちゃいました)
ボールに鶏ドラムとマリネ用材料を入れて、ラップして冬なので室温で4時間ほどマリネ
玉ねぎ、にんにく、しょうが、トマト
マリネ液ごと鶏肉を投入
フライパンから圧力鍋に入れ替え
フライパンに炊けたご飯を敷いて、圧力後のチキンカレーを中央に置き、ライムをかけて蓋をして着火
ライタ これがいい仕事します。
盛る時はザクっとすくって、あまりかき回さないとビリヤニっぽいかな。
一皿でも色んな味が楽しめます。

オリジナルレシピよりも更に簡単に作っていますが、ご飯が白い部分と黄色い部分があるので、それっぽく見えました。ご飯は普通のコシヒカリを使いました。パラッとしている長粒米のビリヤニの感じ今一つ出ていませんが、コシヒカリですからねぇ。美味しいです。

オリジナルレシピにはありませんがライタも作りました。ライタがいい仕事している。是非作ってください。

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