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ビリヤニとピラウ。その4 ピラウとワリ・ニャマでタンザニア観光

自宅でビリヤニを作った事から思い出したビリヤニとピラウを巡る旅の思い出。これまで書いたプロローグから第三弾までの思い出話はこちらから

第四弾の今回のお話は、タンザニア旅行。私が体験したタンザニアを思うままに綴ります。少しでも現地の雰囲気が伝われば幸いです。

アフリカの国を旅していると、人の容姿も性格も地域ごとに非常に異なっていて、一国でたくさんの国を訪れたような感覚になる事が多い気がします。タンザニアもその傾向が感じられました。そんな多様性を持ちながら、食文化においては国を貫いてピラウなどの定番料理があるのが興味深かったです。

2007年2月にケニアを旅した後、モーリシャスとマダガスカルを巡り、再びアフリカ大陸に戻ってきたのは2007年6月。6月1日に首都ナイロビから陸路でタンザニアに入り、南下してマラウィに入る6月20日までを過ごしました。

タンザニアで訪れた街ごとに街の印象や食べたお料理をご紹介します。


タンザニアの場所
訪れた街

〇アルーシャ

セレンゲッティーとンゴロンゴロ国立公園へのサファリの拠点として有名な街。我々は、サファリはケニアで行ったので、他の見どころについて宿で客引きしているフリーのガイドたちに聞き込み調査を行いました。

アルーシャ近辺はマサイ族が多く住む地帯。農耕を営むファーム・マサイを訪ねるツアー、放牧を営むワイルド・マサイを訪ねるツアー、アフリカ南部のナミビアからはるばる移り住んできたブッシュマンの村を訪ねるツアーなどがあると、自身もマサイ族のアブドゥールが教えてくれました。

因みに「あなたは何マサイ?」と聞いたら、「私はシビライズド・マサイです」とアブドゥールが真顔で言う。自分が観光のネタに使っているファーム・マサイやワイルド・マサイは文明化されていないと、無邪気に無意識に差別してしまっている所に闇を感じたなぁ。それが理由ではないけど、この街での観光はせずに、次の場所に移動する事にしたので一泊のみとなりました。

シビライズド・マサイのアブドゥール

食事は宿の中にある食堂でスパゲッティなどを食べたのと、大型ショッピングセンターで買ってきたカレーライス。アフリカ料理は食べていませんが、キリマンジャロビールを飲んだのが思い出。

ビールKILIMANJAROなんというのがありました。

〇モシ

キリマンジャロの麓の街。標高5895 m、アフリカ大陸の最高峰キリマンジャロが街の背景でドーンと見えました。日本で言うと富士山をバックにした富士吉田の下吉田 本町通りの感じがモシの街から見た山のサイズ感です。見えている街の風景に対して、山が大きすぎて笑っちゃいました。

キリマンジャロに登山する以外には、モシからもう少し山に近づいた村を訪ねるツアーがあったのですが、あいにく雨季で天候が悪かったのでモシからのキリマンジャロ見物だけ行いました。

写真だとこんな感じに映りますが、感覚としては下の写真みたいな感じ。
とにかくデカって感じでした。

モシではピラウを2回食べています。またタンザニアで定番のワリ・ニャマも登場。ワリは「ご飯」、ニャマは「牛肉」。ビーフシチューとご飯のセットで、大抵はホウレン草風で少し苦い野菜のソテーなどがついてきます。

最初のお店は駅前で一番人気のお店。確かに美味しくて安くて最高でした。

混雑している人気店 Moeen
上がワリ・ニャマ。ご飯、シチュー、野菜のソテー、バナナ
下はピラウ。お肉とジャガイモが炊き込みご飯の上に乗って、肉出汁、野菜のソテー、バナナ付。
どちらもこれでハーフポーション。値段は当時の換算で150円くらいでした。

二軒目は人気のMoeenがお休みだったので仕方なく入ったお店。同じ値段なのに量が少なくてシチューの味も薄い。ダレまくった女子店員さんが、客の私に写真を撮れと要求する横柄さは、今思うとアフリカっぽくて面白いですが、あの時は腹立ってましたねぇ。

お料理も店員さんもダレまくり

〇モシからルショトへの道中

モシからダル・エスサラームに一日で行くのは遠いので、途中で一泊した方がいいと判断しました。中間地点にある街モンボは観光ポイントがない。ということでモンボで一度バスを降りて、幹線道路を外れた山中にあるルショトに宿泊して観光する事にしました。

幹線道路を走るバスは大型観光バス
都会へ向かういけてる姉さん

モンボから小さな村ルショトへ行く道は、まさにローカル線の旅でした。

山に次ぐ山

山の中腹を縫うように走る道は、片側がどーんと落ちた崖の際を走って、恐ろしくも美しい景色でした。こんな山中とはいえ、ちょこちょこと村があるので人の乗降数も多くて賑わっていました。興味深いのは各バス停でバスに寄ってくる物売り。頭の上に乗せた籠に乗ったバナナと民族衣装がとても印象深かったです。

ルショトへの途中の女性たちがおしゃれ

〇ルショト

小さなほのぼのした村には、観光案内所があっていくつかのツアーを紹介してもらいました。

その中で所要時間5~6時間のイレンテ・ビュー・ポイントに行くツアーを選択して行ってきました。ツアー自体は一人1000円くらい。マサイ大平原を見下ろせるイレンテ・ビュー・ポイントまでトレッキングするツアーで、途中の牧場に立ち寄ってファーム・ランチ(一人前Ts3000=US$2.33、ボリューム多し)も楽しみました。

ルショトはかつてドイツ領だった事から、ファーム・ランチで出された食事はかなりドイツ寄りでした。こんな場所でドイツ飯に出会えると思っていなかったので、とても面白かったです。

クオークと呼ばれるフレッシュチーズやライ麦パン、ジャムなどハイクオリティでした

高台から見下ろす広大なマサイ平原の圧倒的な景色。そのような景色を見ながら暮らす牧歌的な人々。観光ポイントとしては順位が低いルショトならではの、人々の観光ずれしていない温かさに出会えた旅となりました。

その他、ルショトではワリ・ニャマを頂きました。これが激安でボリュームが半端なく多く、使っている素材が新鮮。田舎ならではの予想外のローカル食のレベルの高さに大満足。

ご飯山盛りを囲むように煮豆、バナナ、野菜炒め、トマトとキュウリ、トマトスープ、肉4切れくらいがついて一人Ts800(約80円)

〇ダル・エスサラーム

かつては首都でもあったタンザニア最大の都市です。海外からタンザニア観光に訪れる場合の玄関口となっているので、外国人の姿も頻繁に見かけました。

ナイロビからタンザニアの内陸部をバスで移動してきたのですが、今まではいわゆる黒人的な容姿の人が住民でした。服装もTシャツにパンツという感じで、まぁ世界的に普通な感じ。ところが、ダル・エスサラームに来たら人々の顔立ちも服装も急にアラブ文化。男性は長いローブのような服装で髭を蓄えている人が多い。ケニアの東海岸もアラブの空気を感じましたが、タンザニアも沿岸部はそんな感じなのかもしれません。
↓こんな感じの服装の男性

この街で気に入ったレストランはピラウの専門店。アラブらしく店内に女性の姿はなく、ローブがパツパツになるまで太ったおっさんばっかりのお店で頂くピラウがとても美味しかったです。タンザニアの他の街に比べると値段は倍以上したのですが、量もかなり多い。周囲のおっさんは、そんな大皿のピラウをペロッと平らげていました。夫と私の間では「太ったおっさんの店」という名称で記憶しているお店です。

左:魚のピラウ。マグロのような筋肉系の輪切りのから揚げが1つついてあとはスパイシーな炊き込みご飯がどっさりと生野菜が少々。ご飯は長粒米。
右:チキンカレー。鶏モモ1本がトマトスープに入っていてカレーではないがジャポニカ系バターライスもおいしい
いずれも300円くらいでした。

振り返ってみると、内陸の人々はのんびりとして優しい感じの人が多かったです。そりゃぁ、都会のタクシー乗り場とか、安宿の客引きなどアグレッシブかつ信用できない人もいましたが、田舎の方たちは親切で人種的な偏見も感じませんでした。何よりも旨い米料理に出会えたのはよかったです。

長文にお付き合い頂きましてありがとうございました。

我々の旅はこの後ザンジバルへ向かいましたが、今回はここまで。
ザンジバルの話はまた次回に書きます。

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