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まだ夏の匂いがした、沖縄。
10月の終わりに、ついにコロナになってしまって。
かなりキツい療養期間を終え、回復したとはいえまだなんともいえない倦怠感を残したまま、仕事で沖縄を訪れることになった。
早朝6:35、羽田発。
こんなに早起きしたのはいつぶりだろう。
眠い目を擦りながら、搭乗口のそばでアナウンスを待っているうち、朝日がゆっくりと空港内をオレンジ色に染めていく。
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朝日とほぼ同時のフライト。
窓側の席をちゃっかりと確保していたわたしは、
眼下に広がる東京の街を、朝日に照らされた東京湾をぼんやりと眺める。
本当は、飛行機に乗るまでずっと不安だった。
体調は大丈夫なのか、飛行機酔いしないだろうか、最後まで無事に仕事を終えられるかな。
でもこの時のわたしは、窓の外の風景にただただ心を動かされ、久しぶりに、たしかな胸の高鳴りを感じていた。そんな自分に、少しだけ安堵したのを覚えている。
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最初の目的地は石垣島。
前回は2018年に友人と遊びに来たこの島を、訪れるのはこれが二度目だ。
三時間とちょっとのフライトが終わりに近づいて、青い青い珊瑚礁の海が、少しずつ近づいてくる。
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石垣島空港に降り立つと、薄い長袖で来たことをちょっぴり後悔するくらい、そこにはまだ夏の続きがあった。
靴下を脱ぎ、革靴から持参したサンダルに履き替えて、レンタカーを運転して市街地へ向かう。
道路の両脇には本州で見ることのない植物がたくさん並んでいて、なんだか楽しくなってしまって、思わず頬がゆるむのを感じる。
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お昼ごはんは気になっていたKLATCH COFFEEさんで、エビアボカドのホットサンドとジンジャーエールを。
ゆるい空気の流れる店内で、無心でホットサンドを頬張る。
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夜ごはんには、島そばを。
11月の沖縄は、やはり真夏に比べると観光客の数は落ち着いているらしい。
人気店も19時を過ぎると人出はそれほど多くなく、常連らしい島の男の子たちがビールをちびちびと飲みながらテレビを眺めていた。
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翌日は、朝から雨。
昼前の飛行機で、石垣島を離れ沖縄本島へと向かう。
本当は石垣島でとっても泊まりたいホテルがあったのだけど、仕事ということもあって今回は叶わず。
次はやっぱりプライベートで、のんびり時間をとって石垣島を拠点に離島巡りをしたいな。
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那覇では、仕事の合間を縫って、行きたかったお店をいくつか訪れることができた。
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最終日。クライアントと打ち合わせをしていると、窓の外からなんともいえない、ちょうどいい温度感の風が吹いてきた。
「今日はちょっと暑いけどね、この時期の沖縄が一番いいから」
東京から沖縄に出向して来ているというその人は、ゆったりと微笑んでそう言った。
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そうして私は、二泊三日の沖縄出張を終えて東京へ帰還した。
数年ぶりに訪れたその島は、やっぱり独特のエネルギーに満ち溢れていて。
病み上がりだったわたしも、なんだか目には見えないパワーと癒しをたくさん、もらえたような気がしている。
沖縄にはまだ訪れたことのない場所、離島がたくさんある。
本島北部のやんばるも、波照間島も、与那国島も、久米島にも行ってみたい。
また、近いうちに沖縄を訪れることになるだろう。
その時はまた違う一面を見つけて、きっと、もっともっと好きになる。
そんな予感がしてやまない。
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