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Helsinki, Finland ① 旅のはじまり

2019年4月
初めての海外ひとり旅、
森と湖の国 フィンランドへ行ってきました。

小学校の授業でロヴァニエミのサンタクロース村の写真を目にしたあの日から、
ずっとわたしはフィンランドに憧れて。
いつかきっと、此処を訪れようと心に決めて。
会いたくてたまらなかった人へ会いにいくような浮かれた気持ちと、ほんの少しの不安を胸に、フィンエアーに乗り込んだ。

機内に散りばめられたマリメッコデザインに心は踊り、ロシア上空から見えた氷の河とどこまでも続く大地に目を奪われ、一睡もできないまま10時間のフライトを終えた。

ヘルシンキ・ヴァンター空港に降り立ったのは午後の2時少し前。
ヘルシンキの4月は、やっと雪解けを迎えたばかりの春のはじめと聞いていたが、この日の気温は17度。冬物のロングコートでは少し汗ばむほどの、あたたかい日差しが降り注いでいた。

片道5€の列車に揺られること約30分、ヘルシンキ市内に到着。
道行く人々の装いも、街並みも、のんびりと走るトラムも、何もかもが素敵すぎる。夢みたいだ。
石畳みの道をゆっくりと時間をかけて歩き、ようやく宿泊先の"HOTEL helka"
に到着。

洗練されたアルヴァ・アアルトデザインの家具。シンプルなのに可愛いが溢れる部屋。綺麗なのに気さくな受付のお姉さん。
一目で、わたしはこのホテルが好きになった。

重たいスーツケースを置いて、走り出したい気持ちをなんとか押さえつけ、ヘルシンキの街へ繰り出す。

まず印象的だったのは、港町らしいカモメの多さ。
かもめ食堂なんて名前のレストランがオープンするのも納得だ。

それから、自転車やキックボードで移動するひとがとても多いこと。
ヘルシンキはフィンランドの首都だが、日本の首都東京とは比べものにならないくらい空気が澄んでいる(と、個人的には感じた)。
ちなみに街のスーパーマーケットではレジ袋は渡されないので、買ったものはすべてトートバッグに詰め込まなければならず、バッグはすぐにパンパンになった。

数年前に映画を見て以来、フィンランドを訪れたら必ず行こうと決めていた かもめ食堂。

食事を終えて外に出ると、時刻はもう夜の9時。
4月のフィンランドは日本よりだいぶ日が長く、この日は雲ひとつもない好天だったため、フィンランド湾をのぞむ静かな公園で、ただひたすら海を眺め、夕暮れ時を過ごす。
空には、満月があった。日本にいる大切なひとたちのことを、少し思い出した。自分が異国でひとりだ、という現実がひしひしと押し寄せてくるのを感じた。

寂しさと同時に、自由だな、と思った。
それはどこか心地よく、不思議な感覚。

まだ少し昼の色を残した空の下、異国の地で、時差ボケなのか高揚感なのかなかなか寝付けず、浅い眠りを繰り返しながら初日の夜を越した。

つづく

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