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旅の備忘録

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#フィルムカメラ

瀬戸内の、光と風に魅せられて。

瀬戸内の、光と風に魅せられて。

最終日の朝、雨予報だったにも関わらずお天気は予想外の晴れ。

部屋には、朝の光が静かに差し込んでいて、窓の外は変わらず凪の海。
朝ごはんは、鯛めしのお弁当だった。
お弁当箱を包むデニムの風呂敷も可愛い。

朝食の後は、少しだけ海沿いを散歩した。
夏の朝みたいな爽やかな空気に、ふかく、深呼吸をしたくなる。
海の近い街は、内地よりもひと足早く夏のような空気を感じるので好きだ。

お宿をチェックアウトし

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タイ・バンコクの夜風を思い出す。

タイ・バンコクの夜風を思い出す。

タイ・バンコクのことを思い出すとき、
脳裏に一番はじめに思い浮かぶのは昼間の景色ではなく、髪を揺らして通り過ぎていく生温い夜風だ。

未知のウイルスが世界を脅かすその一年ほど前、当時の仕事の出張で一週間ほどバンコクに滞在した。
昼間はイベントの準備やら運営やらで一日中会場に缶詰めで、
昼食の350円のカオソーイを楽しみになんとか乗り切る、かなりハードな日々だったけれど。
夜になると、束の間の自由な

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はじめまして、小田原城。

はじめまして、小田原城。

五月の終わりの土曜日。
ふと思い立って、日帰りで小田原に行くことにした。

新宿から小田急小田原線急行に揺られ、一時間半と少し。

東京に暮らして七年。
行こうと思えばいつでも行ける距離なのだけれど、案外一度も訪れたことはなくて、
"はじめての場所へ"という久しぶりの感覚になんだか浮き足立ってしまう。

小田原の駅で降りて、街をぶらり歩いてみる。
路地には昔ながらの雰囲気を残す飲食店が立ち並んでい

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はじめての秋田。男鹿半島は青と緑。

はじめての秋田。男鹿半島は青と緑。

ふと思い出した、去年の夏仕事ではじめて訪れた秋田のこと。
東日本で唯一、まだ足を踏み入れたことのなかった場所。

季節は八月のど真ん中、夏まっさかりで、どこへ行っても日差しが煌々と眩しかったのを憶えている。

同僚とわたしは、自転車に乗って男鹿半島を駆け抜けた。
自転車を、漕いで漕いで漕いで。下り坂は、ペダルから足を離して一気にくだってゆく。
日差しはジリジリと熱いけれど、頬を撫でる海風が心地よく

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