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旅の備忘録

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#旅日記

札幌、そして長沼町へ。

札幌、そして長沼町へ。

ひとり、旅をした北海道。
洞爺湖を出た後は車を走らせ札幌へ向かった。

雨の中訪れた、アトリエモリヒコさん。
カウンター席の隅っこに座って頂いた林檎のシブーストがあまりに美味しくて、今も忘れられない。

帰る頃には、お店には私ひとりになっていた。
窓の外を、傘を差した人びとが行き交っている。
試しにお店の方にお願いしてみたら快く店内の写真も撮らせていただき、とっても心温まる時間を過ごすことができた

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洞爺湖、湖畔の夏。

洞爺湖、湖畔の夏。

八月某日。久しぶりの早起きでなんとか6:55羽田発の飛行機に乗り込み、私は欠伸を繰り返しながら空の上にいた。

会社員の夏休みは短い。
向かう先は、北の大地、北海道。
一番の目的地は、数年前からいつか訪れたいと憧れていた洞爺湖だ。

新千歳空港に降り立ち、レンタカーに乗り込む。
霧雨が降って空気は肌寒い。長袖の上着を持ってきたことを確認し、ほっと安堵の息をついた。

途中、支笏湖やニセコに立ち寄り

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春の少し手前、山形へ。

春の少し手前、山形へ。

東京ではもう桜が咲き始めていたその日、
其処はまだ少し春の手前、冬から春へと移りゆくちょうど境目のようだった。

山形は、わたしにとってなんだか特別で、とても思い入れのある場所だ。
恋人の出身地だということもあるし、前職で数年間山形県を担当させていただき、何度も足を運びそこに住む方々と深くお付き合いをさせていただいたということもある。

物静かだけど実はとても情に熱く、とにかく底抜けに優しい、山形

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旅の終わり、高松で。

旅の終わり、高松で。

高速船が、高松港に到着した。
12月の日暮れは早い。
さっきまで水平線に見えていた太陽はすっかり沈み、夕闇がだんだんと濃くなっていく。

この日は、kinco. hostel + cafe さんに宿泊。
急いで荷物を置いて、楽しみにしていた仏生山温泉へ。

ことでんの駅で、温泉乗車入浴券を買う。仏生山温泉最寄駅までの往復分と、温泉の入浴券まで含まれていてとっても便利なきっぷだ。

旅先で雰囲気の良

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自転車でめぐる、真冬の直島。

自転車でめぐる、真冬の直島。

夕刻、宇野港を出発した大きなフェリーはものの数十分で直島へ到着した。

街灯が少ない道を足早に坂の上のお宿へと向かう。
海の姿は見えないのに、波の寄せる音だけが聞こえて不思議な気持ちになる。

夜ご飯は、楽しみにしていたおいとまさんで。

レトロな店内、慣れないカウンター席にワクワクドキドキしながら腰掛ける。私以外にもひとり旅らしき女性客がいてすこしほっとする。

ひとり旅の醍醐味は、お店の人との

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いつか住みたい街との出会い。

いつか住みたい街との出会い。

瀬戸内ひとり旅の途中、いつか必ず住もうと心に決めてしまうくらい、好きな街と出会った。
それが、岡山県玉野市。

瀬戸内海に面したその街には港があり、毎日たくさんの船が到着したり、旅立ったりしている。
空港も大好きな私は、おそらく旅の発着地点になる場所に心惹かれてしまう性質があるのだろう。

夜の宇野。

スタイリッシュな焼き鳥屋、炭ハバキさん。
串はもちろん、お宿のお姉さんに勧められて食べた大根お

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豊かな島、豊島を訪れて。

豊かな島、豊島を訪れて。

昨年十二月、ぽっかりと一ヶ月間の休みができた。

新卒から六年弱勤めた会社を退職し、新しい場所で新しい仕事を始めるまでのご褒美期間。いわば人生の冬休みとでも呼ぶべき時間。

3泊4日、瀬戸内海のまわりをめぐるひとり旅に出ることにした。

最初に行き先として選んだのは、瀬戸内海に浮かぶ小さな島、豊島。

朝六時台の新幹線で東京を出発。岡山の宇野港を経由し、船で豊島へと渡る。

船に乗るのはいつぶりだ

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