産業革命について

機械化。(1780年)18世紀中ごろから19世紀中ごろまでの100年間に起こった第一次産業革命は、水力と蒸気動力を使って製造工程を機械化することから始まりました。

電化。(1870年)19世紀末から20世紀初期にかけて、電力が工場で使用されるようになり、組み立てラインや大量生産が可能になりました。

自動化。(1970年)1970年頃から、ロボットを含むデジタル技術が製造工程に加わり、以前は人間が行っていた作業の多くが自動化され、インターネットの台頭とともに、グローバル化が可能になりました。

繋がり。(2011年)車からコンピュータやロボット、トースターまでの全てのモノが、Connected Age(繋がる時代)において事実上リンクされ、人間による最小限の介入で、相互に通信し、さらには制御し合い始めています。「サイバー物理系システム」が製造だけでなく調達、保守、修理までも担当するようになる中、工場も、自動運転化が進んでいます。これらすべての自動化を可能にしているのは、モノのインターネット、ロボット工学、人工知能であり、人間の脳と同じように、データ、分析、メモリにより動いています。
ご存知の通り、デジタル技術は時間の速度を速めました。今では何でもより速く動きます。このことから、繋がる時代、第四次革命が第三次革命の直後に起こった理由が分かります。では、私たちが既に協働の時代であるインダストリー5.0に目を向けているのは、果たして不思議なことなのでしょうか?

インダストリー5.0:人と機械の収束

第五次産業革命には、人と機械の収束が見られるでしょう。文字通りにも比喩的にも、です。スマートフォンやアプリは、いずれ、私たちの体に装着されたテクノロジーに道を譲るでしょう。仮想アシスタントが耳元で道順をささやき、夕食のお店を提案し、代わりに商品の購入を行ったりしてくれるようになります。しかし、パラダイムを最も打ち砕くような変化は、職場に見られるでしょう。

インダストリー5.0では、デジタル技術を使って人間による最小限の介入で工場を操業するような第四次「サイバー物理」製造工場が、「ヒューマンサイバー物理」システムへと変貌していくことになるでしょう。

この新しい世界では、センサーがデータを収集し、AIを搭載したコンピュータがそのデータを処理、分析します。こうして前後関係付け、分類する際、速度は一層速く、データベースは一層大きくなります。機械やロボットは、情報を使って、プログラムされたアルゴリズムや、過去の行動や結果に関する「メモリ」を含む独自のデータバンクに基づき、判断を下します。

一部の人が予想するように社会の主流から取り残されるのではなく、人々はむしろ、この新たな革命において脚光を浴びる存在になるでしょう。機械が私たちのために働いてくれるのです。決して、その逆ではありません。

この新たなパラダイムにおいて、人々は、協働ロボットあるいは「コボット」と共に働き、仕事を教えたり、間違えたらそれを修正したりするようになります。機械が、最も単調、反復的で危険な作業を行う一方で、人は、人間の複雑で柔軟な脳を使って高水準の判断を行います。例えば、製品が作られる工場、あるいは製品が使用される環境のバーチャルコピーである「デジタルツイン」を使って、製品や工程の設計を行ったりするようになるでしょう

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