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スタートアップへ転職するためにVCと会い、そして理想の会社に出会えた話

前回はじめてのnoteで退職エントリーを書きましたが、7月末でリクルートをやめて、Leanerというスタートアップにジョインすることになりました。


今回転職するにあたって、ベンチャーキャピタル(以下、VC)に投資先を紹介してもらったり、相談に乗ってもらったりしたのですが、これを周囲に話したところ、結構珍しがられたりしました。


あまり一般的な手法ではない一方で、情報収集をする手段、思考を整理する手段、企業を紹介してもらう手段として、VCという存在をうまく活用するということは、とても有用なのではないか。


そんな風に思ったので、スタートアップへの転職を考えている方に参考になればと、noteにまとめてみたいと思います。
(決断の背景や次のステージへの想いは前回のエントリーに譲ります)


なぜVCは投資先を紹介してくれるのか

そもそもなぜVCが投資先を紹介してくれるのかというと、スタートアップの成否を左右するといっても過言ではない「採用」をVC側が支援することで、支援先のビジネスの成功確度を少しでも上げようというのがベースの期待かと思います。


また、ここ数年で加速度的にスタートアップに資金が流れるようになったことで、企業側の資金調達のハードルは格段に下がってきていると思います。
これは業界全体としてはとても喜ばしいこと。


企業側は複数の投資家の中から自社に最も合うパートナーを選択することができるようになってきていますが、逆にVCの側からすると競争環境が激しくなってきているとも言えます。


実績や投資額の多寡だけでなく、業界に関する知見など、各ファンドが差別化を図る一つのポイントとして採用支援を強化する
、というのも背景としてあるかなと思います。、というのも背景としてあるかなと思います。


出会い、そして転職まで

きっかけは「Spready」というご縁つなぎプラットフォームを眺めていたときに、「将来的にスタートアップに興味がある方と話したい」的な募集を見て、興味を持ったことでした。
※Spready自体は採用プラットフォームではなく、個人の知見を活かして外の会社とゆるく繋がることが出来るという、なんとも素敵なサービス

そこから応募をして、インキュベイトファンドのHRマネジャーである壁谷さんとお会いしました。これが5月の中頃。


その場で簡単にファンドのポリシーや理念などについてお話を聞いた後、私のWill、Canを率直にぶつけさせていただき、かなり丁寧にメンタリングもしてもらいました。


その後、数日中には興味を持ってくださった投資先を複数リストアップしていただき、順次調整。候補自体は20社ほど、実際にその中から10社近く紹介してもらったと思います。


またこの間に参加したインキュベイトファンド主催のイベントでアソシエイトのマリアさんと話す機会があり、ここでもいくつか投資先を紹介していただきました。


正直5月時点では直近中に転職するかどうかまでは決めていなかったと記憶していますが、実際にお会いしてみると想像以上に魅力的な会社・起業家の方が多かったです。
このタイミングで一気に転職意向が強くなっていきました。


最終的には2-3社に候補を絞り込み検討していたのですが、ある日友人の長井くんから、「大学の後輩が起業して、CSを募集しているから会ってみないか」と言われ、そこでLeanerのことを知ります。
(ちょうどランニングしながら明治神宮前を通過しているときに言われたことを鮮明に覚えている)


そしてよくよく調べてみれば、インキュベイトファンドが投資しているではないかと(笑)。これは何かの運命だと思い(安直)、紹介してもらうことになり、そこからはとんとん拍子。一週間ほどで入社が決まりました。


VCに紹介してもらうことのメリット

紹介料を得ている人材紹介エージェントと違い、VCの場合はあくまでEXITによってリターンを得るビジネスモデルなので、紹介した人が「中長期的に投資先で活躍」してくれないことには、リターンの確度を高めることはできません。


よって、メンバー(特に起業家)とのカルチャーフィットや中長期で活躍できそうかどうかを前提として、企業の紹介やフィードバックをしてもらいやすいと思います。


もちろん人材紹介でもエージェントによって、同様またはそれに近い目線で企業を紹介してくれるところもあると思います。そういうところを見つけられればそれで良いですが、力学上、VCとこちら側の利害とが一致しやすい構図はあるのではないかと思っています。


またもう一つのメリットとして、数々のスタートアップや事業を見てきているため、そのスタートアップのどのあたりがポテンシャルなのか、どういった事業仮説でビジネスをしようとしているのかなど、VCの目から見た企業の魅力を、よりソリッドに教えてもらうことができます。


この辺りの情報収集がセットでできることもまた、VCと会うメリットの1つかなと思います。


VCとの接点をどうつくるか

各社キャリアイベントをやっていたり、投資先の事業を題材としたセミナーやワークショップを開催していたりするので、こういったものにまず参加してみるのが一番手っ取り早いかなと思います。



ちなみに僕がお世話になったインキュベイトファンドは「TALENT NETWORK」という独自の求人ネットワークを持っていたりするので、このあたりもチェックしてみるといいかもしれません。


他チャネルと組み合わせて戦略的な活動を

こちら側から企業にアプローチする方法は、ざっくり下記の4パターン+VCからの紹介があるかなと思います。

①直接企業サイトから応募する
②採用媒体における募集情報(またはスカウト)
③知人・友人の紹介、おすすめ
④エージェントからの企業紹介
+VCからの企業紹介(⑤)


これらはどれか一つというよりも、それぞれの特性を理解し、用途を明確にした上で使い分ける必要があります。またそのバランスは、どんなステージの企業に行きたいかによっても異なると思います。


例えば僕のようにシード期のスタートアップに行きたい場合には、シードに強いVC(偶然にもインキュベイトファンドがまさにそうだった)やエージェントに企業を紹介してもらうことを主軸にしつつ(④⑤)、自分でも良さそうなところがないかリサーチして、直接応募する、または媒体から応募するということもやる(①②)。


また、これらの経路のいずれかから仮に良さそうな企業と出会っても、入社を決める前にできる限り経営者、コアメンバーのリファレンスはとった方がいいです(③)。


特にシードに近くなればなるほど、現メンバーとの相性やカルチャーフィットは超重要になりますし、「転職したけど合わずにすぐ辞めてしまった」では全員が不幸になるので。


このように、各チャネルを組み合わせながら、情報を集め、たくさんの人と企業に会い、そしてジャッジすることが大事です。
あくまでVCと会うこともチャネルのうちの1つと考え、効果的に活用していくスタンスが重要だと思います。


最後に

スタートアップに転職する人がすべからくVCに会うべき、とは思いませんが、味方になってもらえれば良い企業に出会える確度は確実に上がると思います。


ただ当然のことながら、VCの中でもファンド・人によってまた玉石混交だったりはすると思うので、そこはご自身の感覚で見極めていただければ幸いです。


最後に、熱く・粘り強く支援してくださったインキュベイトファンドさん、そして壁谷さん、ありがとうございました!

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