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パリでめっけた“わたしの固有名詞”

“そっか、わたしにはTAKAKOという

固有名詞があったんだ”

パリへ移り住んだ当初、早い段階で

そんなことを思いました



“Takako, Quelle est votre vie?”

と、初対面の方に先ず聞かれるのです

これは英直訳すると

“Takako, What is your life?”

日本語で意訳すると

“タカコ、あなたは何で生計を立てているの?”

更にニュアンスを加えると

“あなたは何においてのプロフェッショナル?”

になるそうで

“What is your job??”

“君の仕事何?”より少し深みある質問


当初 “vie” と云ったら “人生” という

直訳しか無かったわたしには

初対面の方からいきなり

“あなたにとって人生とは何ぞや⁇”

と、質問されているものと思い込んでいて

さすが哲学の国だなぁという感想を抱いたり


でもわたしの答えはいつも

「夫のために…」

そうなると相手はキョトンとなるんです

何せ日本では

「〇〇さんの奥さん」「〇〇先生の奥さま」

「〇〇ちゃんのお母さん」「〇〇くんママ」

が当たり前でしたから…


で、夫のことをひとしきり説明すると

「旦那さんはすごいね、それで君は何を?」

「… えっと…」


答えられませんでした


渡仏の名目上

「日本文化のオーガナイズしてます‼︎」と

言い切ってしまえば良かったのかも、ですが

まだその様な実績もなく

修行を積んで得た技術もなければ

とことん学んで得た知識もなく

わたしは全く自分に自信がなかったのです


いつも夫の後ろに隠れるようにしている、

いえ、そうしていなければ

“ならない”存在だった様な、

今思い起こすとそう感じます


いつもはいはい、とそれなりに

気性荒めな夫の言うことを聞き

愛する我が子達の子育てに

逃げていたのかもしれません


夫のため、子供たちのために時間を費やす

今風に表現するならば“他人軸”で生きていました

でもそれで、わたしは幸せでした


しかし、パリへ渡ったことで、この軸が

大きく変わりました

半強制的に“他人軸”から“自分軸”で生きなければ

成り立たない環境になった訳です


この環境は、わたし自身のみならず

子供たちが成長していく上で

大変有効、有意義な環境となりました

当人たちにとってはまったく

父親のもくろみに巻き込まれた期間

となったことは否めませんが…


その話は追い追い

今日はこの辺で…







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