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製造業向けVertical SaaSの1人目インサイドセールスが立ち上げ5ヶ月でやったこと -「失敗スタート」でも「ゼロベース思考」で糧にしよう

こんにちは!「最適ワークス」インサイドセールスの山森です。
今回は私が最適ワークスの1人目インサイドセールスとして取り組んだことを振り返ってみようと、noteを書いてみることにしました。

このnoteを通して同じように初期フェーズのインサイドセールスに取り組んでいる方の参考になったり、最適ワークスのチャレンジングな環境に飛び込みたい方の参考になれば嬉しいです。
スカイディスクが自社で開発しているAIである「mabuchan」とのインタビュー形式でお届けします。

登場人物
mabuchan: スカイディスクの社内オフィシャルAIアドバイザー。今回はインタビュアーを買って出てくれました。
山森:スカイディスクのDX事業部インサイドセールスチームメンバー。現在は社内で唯一のインサイドセールスとして活動中。



どんな経歴の人間なのか

mabuchan: 今日は、製造業向けVertical SaaS「最適ワークス」の1人目インサイドセールスとしての経験についてお話を伺います。まずは、あなたのバックグラウンドと、この役職に就いた経緯について教えてください。

山森: 最適ワークスのインサイドセールスをしております山森です。前職は介護事業所向けの人材派遣業で求職者-事業所両面の営業を担当してまして、広島、大阪、札幌の三拠点を経験し、北海道エリアの責任者をしておりました。

2023年の4月にスカイディスクに入社して以降はウェビナー担当をしており、日々のウェビナーの運営や、ウェビナーコンテンツの企画設計、集客のためのメルマガ配信などを行っていました。
2024年の1月から、事業目標達成のため商談創出件数の増加やリードの適切なナーチャリングが課題となって、本格的にインサイドセールス機能を立ち上げる事になりました。

インサイドセールスとして最初にやったこと

mabuchan: この役職に就いて最初の一歩として、どのような取り組みを行いましたか?

山森: まず最初の一歩として、インサイドセールス機能としてのKPI設計、マーケ施策で取得したリード(インバウンドリード)に対するアクション設計(SDR)、新規チャネルとしてのBDR(DM送付+架電施策)の立ち上げを行いました。

SDR・BDRの両分野それぞれに対し、フォローアップ数・コネクト数・アポ数(BDRの場合はパーミッション数)といったKPIを置き、一般的なSaaS企業の水準を参考にして目標値を設定しました。

それを達成するためにSDR・BDRそれぞれ施策を設計していった形なのですが、立ち上げ当初はまずリードの流入チャネルの整理、既存の架電委託業者様のリソースの明文化を行って現状を整理しました。
現在どのようなチャネルが存在し、それぞれからどれだけのリード獲得に繋がっているのか、また架電委託業者様のリソース状況を把握することを通して現在の状況を可視化し、打ち手を立案しやすい状況をつくることが狙いでした。

チャネル別の状況整理の一部


次にチャネルごとのCV通知やフォローの業務フローを設計し、CRMとマニュアルに落とし込み、スクリプトを作成し、流入したリードに対しアクションが徹底できる状態を作りました。
このアクションにおいては、外部の架電委託業者様に実際にコールをお願いする範囲になるので、必要な情報ギャップを埋めるという点を工夫しました。

具体的には、最適ワークスのサービス内容や、メインのお客様となる生産管理領域に関する参考情報をまとめてお渡ししたり、お客様の関心や行動を踏まえてトークができるように、HubSpotでの行動履歴の見方やトークへの繋げ方を整理してお渡ししました。

また、これは立ち上げ期というよりもう少し後に実施した施策なのですが、「クリップ&ペーパー」というものを作成して、外部の架電委託業者様が効果的なコールをできる体制の整備も行いました。

※CLIP&PAPERは「インサイドセールス」著者の茂野さんが考案した、SPIN話法とFAB分析が土台となっている、インサイドセールスのためのフレームワークです。気になる方はこちらをチェック。

これによって、ドメイン知識が十分にない方でも役職、課題、打ち返し、事例をしっかりと繋がえてトークができる状態を実現しました。この整理はもっと早くからやっていて良かったなと思います。

最適ワークスのCLIP&PAPER


併せて、既存の施策だけではリーチできない見込み顧客にアプローチできる経路を開拓するため、BDR施策として最適ワークスのターゲット顧客リストの準備とアプローチ手段としての手紙・トークスクリプトの作成を進めていきました。

最適ワークスのトークスクリプト


最適ワークス事業として、目指すべき目標数値と現状のGAPを考えたときに、ホワイトリストから商談創出をするBDR施策は事業グロースにおいて一番の要となる施策で、立ち上げ期において最重要施策として位置づけておりました。

立ち上げ期に直面した課題

mabuchan: 初めの段階で直面した主な課題は何でしたか?それにどう対処しましたか?
山森: 正直言うと、インサイドセールスの立ち上げ自体は「失敗スタート」でした。
スカイディスクには、「他社をレバレッジしよう」「失敗から成功しよう」「ゼロベースで考えよう」「プロダクトで解決しよう」という4つのバリューがあります。

スカイディスクのバリュー

特に「失敗から成功しよう」は、前人未到の領域に挑戦するスタートアップとして、失敗を失敗で終わらせることなく、仮説を持って行動し、失敗を「検証結果が出た」と捉えることで成功に近づいて行こうという意味が込められています。
これを社内のSlackでは「失敗スタート」というスタンプで表現しています。そして前述の通り、インサイドセールスの立ち上げはこのバリューを存分に体現した例だと思います。

具体的な例でいうと、前段でBDR施策としてDM架電施策を最注力施策として立ち上げたということをお伝えしました。
当初、「決裁者との商談創出」を目的としていたので、代表取締役へのアプローチを試みました。
一方で、最適ワークスがメインでサービス提供をしている中小・中堅企業のお客様の層は、社長が営業業務を兼任しているケースが多く、なかなか接触に至らないという壁にぶち当たりました。

そこで、代表取締役の方々が会社にいらっしゃる限られた時間に接触できるように、1社あたりのアクション回数を増やすことと、ご不在の場合も会社にいらっしゃる時間をヒアリングしてその後のコールに活かすという対策を打ちましたが、目標としている(施策として有効となる)数値に達することができず、なかなか勝ち筋を見つけられない状況が続きました。
これがインサイドセールス立ち上げにおける、最初の大きな壁でした。

最終的には戦略自体の見直しを行い、アプローチの対象を比較的在席率の高い部門長に設定し、手段もそれに応じてコールドコール(まだ接点を持ったことがないお客様に電話でアプローチすること)に切り替えることで接続率は目標水準に達するようになりました。

ただ、今思えば「インサイドセールス機能全体としての課題」は、そもそも立ち上げ時点での情報整理が足りず、自社の保有リードから充分に商談創出ができる仕組みを整えられていなかったことでした。
BDRに着手する前にナーチャリング・リサイクルを機能させることが必要だったと思っているので、1月にもし戻れるとしたら教えてあげたいですね。笑(ここに関しての詳細は後述します!)

立ち上げ期に重視していた、新たな勝ち筋の創出

mabuchan: そのような試行錯誤をしていた立ち上げ期に、どんなことを重視しながら取り組みを進めていたのでしょうか?

山森: 事業をスケールさせるために、既存のチャネル以外に勝ち筋となるチャネルを見つけることが重要だと考えていました。
一方で、検証を進める中でインサイドセールスの全体像に立ち返って戦略を見直した結果、まず足元の成果を固めるために必要だったのは、BDRの確立の前に、既存のリードに対するアクションやコミュニケーションフローを整備することだと気づいたので、途中で戦略転換を行いました。

mabuchan: 具体的な成功事例や成果について教えてください。

山森: インサイドセールスの全体像を把握し直し、既存リードへのアプローチを行った結果、当初の想定よりも高い水準で商談創出ができるようになったことです。
具体的には、インサイドセールスの全体像を把握するため、業務領域をSDR新規、SDR既存、BDRの3つに切り分けて、それぞれの理想状態と、現状とのGAPを洗い出しました。

その中で、SDR既存(既存のハウスリスト)の領域において、タッチポイントが充分に確保されていない(というかほぼゼロ)だったことが一番改善余地が大きく、改善策の成功可能性も高い領域だと言うことが分かったため、そこにフォーカスすることに決めました。
そもそもタッチポイントが無い状態だったのでまずはメール+お電話でお役立ち情報を発信しつつ、ハウスリストのお客様の状況確認、課題抽出を行っていきました。(まず、この時点で一定数のお客様が「最適ワークスの話を聞いても良い」と思っていただけていること自体が嬉しい限り。)

また、お客様とwin-winの関係でタッチポイントを増やすためには「気になる!参考になる!」と思ってもらえるコンテンツが必須になると考えたので、ペルソナの整理、カスタマージャーニーマップの作成を進め、現状社内にあるコンテンツと、不足しているコンテンツの洗い出し→コンテンツ作成・コンテンツをもとにタッチポイント設計という形で進めているところです。

具体的には、これまでスカイディスクで作成してきた資料やウェビナーなどのコンテンツを、「そのセグメントの、どういう課題を持ったお客様にとって役に立つ情報か?」という軸で整理し、「見たい、読みたい」と思っていただけるように、テーマ別に1週間連載の1to1メールなどの形で個別にお伝えするなど、的確に情報をお客様に届ける施策を整えていっています。

カスタマージャーニーマップとペルソナ毎に社内コンテンツを再整理

印象に残っているのは「方針転換」

mabuchan: これまでの5ヶ月間で、特に印象に残っている出来事や学びは何ですか?

山森:途中でBDRの検証→SDR既存の整備に舵を切り直したことですね。立ち上げ時点でもっと全体像を掴んだうえで、スタートを切れていたら、、と思うことは正直ありますが、その反面、施策を進めながらもゼロベースで考えて、基本に立ち返ることができていたので途中で軌道修正ができたのかなと思うところもあります。

前述の通りスカイディスクのバリューにも「ゼロベースで考えよう」というものがあるのですが、本当にBiz、プロダクトチームに関わらず一緒に働いている社員のみなさんにゼロベース思考が浸透しているからこそ、
普段のコミュニケーションの中でも「もう少し立ち返って考えようかな」「前提を疑ってみよう」という方向で議論が進みやすく、今回の場合も、なかなか心理的にハードルが高い、「一度進めている施策を止めて、他の施策に振る」といった決断を前向きにすることができたんだと思います。

mabuchan: インサイドセールスとして働く中で、どのようなスキルや特性が重要だと感じましたか?

山森: これはインサイドセールスに限らないとは思いますが、思考して試行すること自体が好きな人は成果も出ますし、すごく楽しめるんじゃないかと思っています。

特にインサイドセールスは様々な顧客と接点を持つ機会が他のBiz機能と比べても多いので、自分が立てた仮説を検証できるスピードは圧倒的に早いです。その中で、「この方は〇〇業界の生産管理部長で、HPの直近のブログや参加したウェビナーから、こんなことに困っているのではないか?これがやりたいのではないだろうか?」
という仮説を持ってお客様に接し、仮に仮説が外れていたとしてもお客様から状況をお伺いすることによってどんどん仮説自体をアップデートしていくことができます。

また、当初の仮説が外れていた!となった際にも、施策自体を改善したり、そもそも新しい施策を始めたり、という点での意思決定は本当に1日、2日といったレベルで回していけますのでそういった改善を楽しめる人にとっては最高の環境なんじゃないかなと思います!

製造業のお客様に役立つ組織づくりをしていきたい

mabuchan: 今後の目標やビジョンについて教えてください。

山森: 現在、インサイドセールスでは安定的な商談機会創出のためSDR(新規・既存)の地盤固めをしています。直近では、いち早くSDRをワークする状態にして、既存の施策だけではリーチできないお客様に向けて、BDR(アウトバウンド)の活動にも着手していきたいと考えています。

また、現在最適ワークスで価値貢献できているコアのお客様層だけでなく、例えば海外拠点を持つお客様や、より製造リードタイムが長いお客様に向けても最適ワークスが実現する生産計画を起点とするビジネス効果を感じていただくため、リーチするお客様の範囲を広げて、価値貢献できる市場を広げていきたいと考えています。
そしてなにより、最適ワークスの一員として一緒に働けるメンバーを拡大していって、より多くのお客様に気づきを与えることを実現していきたいなと思っています。

製造業のお客様の大部分は自社に充分なDX人材を抱えているとは言えない状況で、そこに最適ワークスのインサイドセールスの介在価値を見いだせると思っていて、「最適ワークスのインサイドセールスからのアプローチでDXの取り組みや課題の整理が1歩進んだ」「解像度が上がった」と感じてもらえるように、各々がお客様について深く理解し、気づきを提供できるような工夫を凝らす、という組織を作っていきたいです。

mabuchan: 最後に、最適ワークスに興味を持ってくれた人に、一言お願いします。

山森: 長々と書いてしまいましたが、最適ワークスではまだまだ検証したいけど未検証なこと、チャレンジしたいけどできていない領域がたくさんあります。大きな裁量をもって、ハードな壁が立ちはだかってもそれを攻略することを楽しむマインドで一緒に取り組んでくれる方をめちゃくちゃお待ちしています!


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