ウクライナ戦争の嘘


 手嶋龍一・佐藤優著「ウクライナ戦争の嘘⊸米露中北の打算・野望・本音」を読みました。著者お二人とも、国際情勢に精通されている作家です。
 
 まず、お二人とも大前提として、「“プーチンの戦争”は、あらゆる国際法規や国連憲章に反する不正義の戦いです。」としていました。しかしながら、「不正義が直ちに敗れるとは限らない。」ともしています。ロシアが侵攻を始めた当初、各国が経済制裁に踏み切り、ロシアは間もなく債務不履行に陥るなんていうことも言われていましたが、結局1年半以上戦争が続いています。こうした日本のテレビや新聞からの報道は大半がアメリカのABC、CNN、イギリスのBBCの二次情報で、ロシアのメディアをチェックしていないのだそうです。テレビも新聞も気を付けて見なければいけないと思いながら、見ているとやっぱりその論調に影響されてしまいますから、こうした本は折に触れて読むようにしなければいけないと改めて思いました。それらの情報の大元はISWというアメリカの戦争研究所とイギリスの国防省で、ISWはネオコン系
 
 また、「プーチンは認知症ではないか?」なんていう話も出ていましたが、相手の行動が理解できないからと言って、「狂っている」と決めつけるのは、こちらの思考停止だということでした。考え方の違う人というのはたくさんいるもので、それが世界各国に及べば、自分の理解から遠くなるのは当然でしょう。ウクライナ戦争程大掛かりなことではなく、身の回りのことであっても、短絡的な思考に陥らないように気を付けたいと思いました。
 
 ドネツクとルハンスクの独立を認める大統領令を出したことも国際法違反と批判されましたが、日本でも安倍政権時、ニウエというオセアニア東部の島を国家承認しているのだそうです。私はニウエなんて言う言葉さえ聞いたことがありませんでした。詳細については触れておりませんでしたが、中国への対抗措置だったとのこと。この辺りは少し調べてみたいと思います。
 
 アメリカが戦争をけしかけているような話も聞きましたが、佐藤氏曰く「アメリカにより管理された戦争」とのことでした。武器を供与することで、ウクライナには第三次世界大戦のラインを踏み越えないようにしつつ、ロシアを弱体化させることを目的としているとありました。武器供与ですが、ウクライナに1600基支援したスティンガーミサイルは「ランボー3 怒りのアフガン」に出てきたものだそうです。「ランボー3」は1988年の映画で、70年代から開発がすすめられたものだそうです。そんな古い兵器を使う機会ができたのですから、「在庫一掃セール」なんて称していました。嫌なセールです。

 ちょっと長くなりましたので、明日に続きます。

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