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遥かなる42.195km

1 驚異の世界新記録

先日、行われたベルリンマラソンで、ティギスト・アセファ選手が、従来の2時間14分04秒を2分11秒上回る、2時間11分53秒の世界新記録を樹立しました。

アセファ選手は、大阪国際女子マラソン業務でお世話になっている、ジャン二氏(イタリア人で、ニューヨークシティマラソン2位になったこともある元・マラソンランナーの代理人)傘下のアスリート。

2023ベルリン前の持ちタイムが2時間15分37秒だっただけに、世界記録更新の可能性はあったと思いますが、まさかここまでとは…正直なところ、自分の目を疑いましたね。それほどまでに、凄まじい記録でした。

2 海外エージェントの戦略

アセファ選手は、800m1分59秒24の自己記録を持ち、2016年リオ五輪には、800mで出場。データには、400mの記録(54秒05)も残っている元・中距離選手。

現在、1500mの世界記録保持者・フェイス・キピエゴン選手にも、言えることですが、彼女たちの才能を発掘したエージェントたちが、長い年月をかけて、現場のコーチと連携し、頂点に導きました。
800m選手が、マラソンに移行するまでの過程の中で、幾多の困難があったことは、想像に難くないところです。
彼らの先見の眼に加え、地道な選手育成に、頭が下がる思いです。

3 高橋選手、野口選手の現役時代

今から20年ほど前、私自身も、女子マラソン選手を指導していました。
当時は、高橋尚子選手、野口みずき選手の全盛期。
競技会や合宿、日々の練習で彼女たちの練習を見る機会がありましたが、それは、想像を絶するようなハードトレーニング、タイムでしたね…

野口選手が18年前のベルリンで出した日本記録(2時間19分12秒)の価値を、今更ですが、ひしひしと感じています。

もし、彼女たちが、現在のスーパーシューズを履いていたら…
どんなタイムが出ていたのでしょうかね!?

4 世界で戦うには?中距離に着目

近い将来、今の現役選手たちが、きっと日本記録を塗り替えてくれると信じていますが、世界は11分台に突入し、16分、17分台が当たり前の時代に入ってきました。

このタイムを目指していくとなると、やはり、トラックの5000m、10000mのタイムが重要になってきますね。

あくまでも私見ですが、5000mの持ちタイムが14分30秒の選手で、しっかりマラソントレーニングが積めていれば、5000m毎16分00秒で押していけると考えられるので、20キロ64分→40キロ2時間08分で、2時間15分台というタイムが見えてくると思います。

5000mを14分30秒で走るには…
当然のことながら、1500mを速く走れることが絶対条件で、1500mを速く走るには、800mの記録を上げることが必要なのは、言うまでもありません。

5 大阪国際女子マラソンに携わる者として

2020年から外国人選手招聘担当兼ペースメーカー制御バイクディレクターとして携わっている大阪国際女子マラソン。次回大会は、2024年1月28日㈰に開催予定です。

2023年大会の様子

日本の女子マラソンが再び世界の頂点に立つには、これから長い年月がかかると思いますが、その日を信じて、今年も大好きなスタッフの方々と力を合わせ、大会を成功させたい、そう思っています。

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