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乾坤一擲

大宅楓選手【大東建託パートナーズ】の近況報告です。

短いオフを終えた大宅選手は、2024シーズンに向けての準備に入りました。
この時期は、ゆっくりのんびり、故障に気をつけながら、練習の継続に重点を置いています。

駅伝に左右されない、グローバルスタンダードのトラックランナーの育成。

400m/800mランナーの3000mSCでの世界挑戦。

陸上ライターの寺田さんが、大宅選手の挑戦を、「乾坤一擲」と名付けて下さいましたが、今一度、我々の挑戦の意味を考えています。

800mランナー時代の勇姿

800mランナーの3000mSC挑戦は、過去にも、たくさん事例がありますが、

「日本選手権800mで入賞している選手の3000mSC挑戦」というのは、日本記録保持者の早狩選手、私が指導した辰巳選手ら、過去に数例しかありません。

辰巳選手の時もそうでしたが、「世界の舞台で戦うため」に、スピードのあるランナーを種目転向させていく。

女子マラソンの世界記録保持者・ティギスト・アセファ(エチオピア)は、16年リオ五輪には800mで出場。1分59秒24のベスト記録を保持。世界のエージェント・コーチたちは、とっくの昔に、我々とは比較にならないスケールで、選手強化に取り組んでいます。 最近、もう、世界の舞台で戦うという目標は諦めて、お金になる仕事をしたほうがいいのかな…と思うこともありました。 どんなに理念が素晴らしくても、結果が伴わなければ、ただの戯言ですし、実業団チームの資金力や環境と比べると、自分自身の力の無さは明確ですからね…

それでも、目標を諦めきれないのは、大宅選手の存在。 底知れないポテンシャルを秘めていますし、まだまだトレーニングも改善の余地がありますからね。

そして何よりも彼女の人柄。二回り近く歳は離れていますが、人間的に尊敬できるところも魅力です。

今冬は、もう一度初心に返り、この準備期間を、悔いのない時間にしたい、そう思っています。

世界の舞台へ

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