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2023大阪国際女子マラソン個人的展望

上野　敬裕

いよいよ大会まで、残り3週間を切りました。
参加選手の皆さんは、長い距離のトレーニングを終え、少しずつ調整期間に入る時期ではないでしょうか。

今大会、私は、外国人選手招聘担当&ペースメーカー制御バイクディレクターとして、関わらせて頂いておりますが、諸々、守秘義務がありますので、核心に触れることはできませんが、差し支えない範囲で、2023大阪国際女子マラソンの展望を纏めてみました。テレビ観戦のお供になれば幸いです。

強力な外国人選手

今大会のテーマは、2時間20分突破

交渉の過程の中で、17分台、18分台の選手の招聘も頭にはありましたが、20分前後の記録を持っていて、かつ、ここ1～2年の状態が良い選手をピックアップしました。

エントリー選手中、2時間20分18秒の最速タイムを持っている
CHEPKEMOI,Maurine選手【ケニア】は、2022エンスヘーデマラソンのチャンピオン。自己記録を出した2021アムステルダムマラソンでも2位に入るなど、いいレース内容が目を引きました。海外経験も豊富で、過去、オランダ、トルコ、スイス、ドイツ、オーストリア、中国でフルマラソン出場の経験があります。
20分切りへのモチベーションも高そうなので、要注意の選手ですね。

DESSE,Haven,Hailu選手【エチオピア】は、2022ロッテルダムマラソンのチャンピオン。自己記録は、CHEPKEMOI,Maurine選手と競り合った2021アムステルダム（CHEPKEMOI,Maurine選手に1秒差の3位）の記録。この時の記録は、前半ハーフと後半ハーフの差が、僅か5秒という、超平均ペースで走破。こういった細かな部分も招聘するにあたり、チェックする項目の一つです。

SISAY,Meseret Gola選手【エチオピア】は、直近の2022ベルリンマラソンで、2時間20分58秒のセカンド記録をマーク、自己記録2時間20分50秒は、2022年2月セビリアマラソンでの記録です。

エチオピア勢2名は、ヨス・ヘルメンス氏率いるGSC傘下の選手

当初、4月のマラソンを予定していましたが、「大阪国際に出すのであれば、二人で、しっかり準備させるよ」と仰っていました。
誠実な人柄のヨス・ヘルメンス氏。いい準備ができていると手強い存在です。

迎え撃つ日本人選手

守秘義務がありますので、当たり障りのない内容にはなりますが、参加日本人選手トップのタイムを持つ安藤選手＠ワコール、佐藤選手＠積水化学らが、どのような走りを見せてくれるか楽しみですね。

個人的に注目しているのは、初マラソンとなる吉川選手＠ユニクロ
『800mからマラソンまでの種目で世界の舞台を目指す』長沼イズムを、実際に体現しているのが、吉川選手。パンチの効いた走りを見せてくれそうです。
指導する長沼祥吾監督と大阪国際女子マラソンといえば、忘れられないのが、営団地下鉄時代の99年大阪国際女子マラソンですね。
掛端美歩選手（当時）が、「ペースメーカー」として中間地点まで1時間12分台でトップ集団を引っ張り、同じチームの小幡佳代子選手が日本人トップとなって、世界選手権出場を決めた伝説のレースです。
当時は、まだまだペースメーカーという存在が浸透していなかった時代。
20数年経ち、ペースメーカー制御バイクディレクターとして、レースに関わることが、とても感慨深いです。

豪華なペーサー陣

20分切りのレースを演出するペースメーカーも、関係各位のご協力により、豪華なメンバーが集結しました。
ハーフマラソンでの躍進著しい、OMARE,Dolphine Nyaboke選手【ユー・エス・イー】、2021リスボン、2022ラスアルハイマで、立て続けに、ハーフ66分台を叩き出したCHEROTICH,Daisy選手【ケニア】、3000m8分32秒、5000m14分44秒という既にワールドクラスのAKIDOR,Margaret選手【コモディイイダ】といった布陣に、鍋島選手＠積水化学、逸木選手＠九電工、渡邉選手@天満屋を加えた合計6名がエントリーしています。
AKIDOR,Margaret選手は、先月の山陽女子ロード・ハーフマラソンで見事に優勝。ロードレースにも自信を深めた様子です。

15番がマーガレット選手＠コモディイイダ
お写真はコモディイイダの会澤監督より頂きました

ペースメーカー制御バイクディレクターとして

今大会で、ペースメーカー制御バイクに乗車するのは3回目ですが、前回、前々回との大きな変更点としては、ペーサーが男子選手ではなく、女子選手であること、ペーサーが30キロまでという点でしょうか。

注意しなければならないのは、入りのラップタイムと走りのリズム。
急激なペース変化や、ペーサーの焦りが、走っている選手に伝わってしまうと良くないので、落ち着いて対応していきたいと思います。

2023大阪国際女子マラソンは、2023年1月29日（日）ひる12：00から カンテレ / フジテレビ系 全国ネット生中継です！
ぜひご覧頂けましたら幸いです。


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