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築30年。リフォームか、新築か。

あけましておめでとうございます。(^^)

多忙を言い訳にサボり気味のnoteですが、、
今年も頑張って発信していきますので
皆さまどうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

さて、私も昨年からリフォームの仕事に復帰していますが、
やはり築30年前後の方からのご相談は多いですね。

日本の住宅の平均寿命は32年というデータがあります。

となると、
リフォームより建て替えた方がいいのだろうか?
という選択肢も頭をよぎることでしょう。

いまリフォームに多額のお金を掛けても、
家の寿命はきちんと延びるのか?
安心して暮らせる性能は備えられるのか?
…心配ですよね。

というわけで本日は、
築30年前後の家をフルリフォームする際の注意点
を考えてみたいと思います。

築30年のフルリフォーム


まず、みなさんがリフォームしたくなる箇所というのは、
・内外装(見える部分をキレイにしたい)
・設備機器類(古い機器を最新にしたい)
といったところでしょうか。

確かに、これらをリフォームすれば
見た目は新築のように美しく、使い勝手もよくなります。

これだけなら、新築の半額くらいでリフォームできます。

しかし、30年前に建てられた家は、
以下の問題を抱えている場合が多くあります。

耐震性能が不足している
断熱・気密性能が低い
☆劣化性能が低い

これらの性能を現在の新築レベルまで引き上げようとすると、
建て替えるより高額なリフォーム代金に
なってしまう場合もあります。

結局はコストパフォーマンスを考えながら、
どこで折り合いをつけるか?
という問題なのですが、

もし何も知らずにスルーしてしまうと
リフォームのついでなら簡単に改善できるような内容も
そのチャンスを逃してしまうかもしれません。

このタイミングできちんと問題に向き合い、
納得して工事内容を選択していただけたらと思います。

では、問題とはいったい何なのか、
具体的に見ていきましょう。

耐震性能の不足


耐震性能は、建築基準法によって定められた基準を
クリアしなければ、建てることができません。

しかし、1981年と2000年に建築基準法が改正されたため、
2000年以前に建てられた家は、
現行の耐震基準を満たしていない可能性があるのです。

1981年以降の基準法では、
震度7で倒壊しない耐力が必要とされています。
(それ以前は想定震度5とされていました)

それは現行法でも同じなのですが、
2000年の改正では、壁のバランスや金物、基礎など、
細かい規定が追加され、より強化されました。

2000年より前に建てられた方は、
家が実際どの程度の耐震性を持っているのか、
リフォーム前に耐震診断を行うことをお勧めします。

詳しくは過去記事にも書きましたのでご参照ください。

断熱・気密性能が低い


「断熱性能」という言葉が注目され始めたのは、
まだほんの数年前のことです。

断熱性能の基準は1980年から存在していましたが、
断熱の基準は耐震と違い、法的な強制力は現在でもありません

築30年程度なら、断熱材がまったく入っていない家も
実際多く存在しています。

断熱性能が低いと冷暖房の燃費が悪いだけでなく、
暖房している部屋としていない部屋に温度差が生じ、
ヒートショックなどの健康被害も招いてしまいます。

リフォームで断熱性能を上げることはできますので、
リフォーム前には床下や天井裏などを覗いて、
現在の断熱性能がどの程度か確認しておくとよいでしょう。

断熱や隙間をふさぐ気密の工事を行う場合は
施工精度によって性能に差が出やすいため、
慣れている業者に頼みたいところです。

ぜひ過去記事もご参照ください。

劣化性能が低い


劣化性能とはあまり聞きなれない言葉ですが、
構造体を劣化しにくくする性能のことです。

築30年程度の家は、
具体的には以下のような性能不足が多いです。

床下が地面なので、湿気やシロアリの被害を受けやすい
(現在はべた基礎で床下はコンクリートが主流です)

外壁に通気がなく、雨漏りや結露で柱などが腐るリスクが大きい
(現在は外壁には通気が設けられているのが主流です)

水道管に鋼管が使われており、錆びて漏水するリスクがある
(現在は樹脂管が主流なので錆びる心配はありません)

これらをリフォームで改善することはできますが、
例えば床下の地面をコンクリートで覆う工事などは、
状況によっては工事単価も想像以上に大きくなる場合があります。

水道管の入れ替えについては、過去記事もご参照ください。

リフォームでどこまで整えるか?
を考えるためには、
現在の暮らしで何に悩まれているのか?
という問題にしっかりと向き合うことが大事です。

冬の寒さに悩まれていたり、
血管や心臓などに疾患を抱えている場合は
断熱性能を上げることは最優先にしたいところですし、

家全体がカビっぽいなどのお悩みがある場合は、
断熱性能不足による結露や、
床下の地面から上がる湿気がカビの原因かもしれません。

リフォーム業者に声を掛ける前に、
今の家の問題点としっかり向き合い、
リフォームの方針を立てていただけたらと思います。

そのためにも、まずはご自身で
必要な知識を身につけることが第一歩です。

どうか悔いのないリフォームとなりますように。


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