-道具と火とコミュニケーションと-〔閑話〕人
ヒトは他の動物とは比べ物にならないほど、高度な言語を用いる。
言語を含む高度なコミュニケーション能力は、脳の進化とともに発達してきた。
「人間の言語の意味の豊かさと構文の複雑さは、人間以外の動物のそれをはるかに超えて」いる。それが可能となったのは、人間の脳の「新皮質のサイズに由来する可能性が最も高い」とされている。
現在、ヒト科に属するオランウータンやチンパンジーの脳容積は約400ml、ゴリラが約500mlで最大である。現代人(ホモ・サピエンス)の脳は約1400mlである。
約400万年前から200万年前まで生息したとされるアウストラロピテクスが約440ml、約250万年前から140万年前まで存在したとされるホモ・ハビリスが約640mlとなり、ここでゴリラを超えた。ここから急激に脳の巨大化が始まった。
約180万年前から約7万年前まで生息したとされるホモ・エレクトゥスが約1000mlを超え、ホモ・エレクトゥスと同種とも別種ともされる60万年前から40万年前に存在したホモ・ハイデルベルゲンシスに至って、現代人と同じ1400mlに到達する。約4万年前まで生息したとされるネアンデルタール人の脳は現代人よりも大きかった。
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