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ビートルズ "When I'm Sixty-Four"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 84回目、今日の楽曲は...

アルバム SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND B面 2曲目 "When I'm Sixty-Four"

サウンド:★★☆
メロディ:★★☆
リズム :★☆
アレンジ:★★★
第一印象:★★★
スルメ度:★★☆
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

3本のクラリネットによる伴奏が、なんともほのぼのとしている。木管系の暖かい音色が、この曲の歌詞によくマッチしていると思う。このようなクラリネットによるジャズ風味的なアレンジは、Honey Pie でも見られ、ポールの嗜好がよく表れていると思う。

他の伴奏としては、バックで静かにピアノがコード弾きする程度で、シンプルな演奏となっている。ベースは、Aメロ "When I get older losing my..." では 2拍で、やや短めの音でゆったりと淡々と弾いている。が、Aメロの最後のところ "Birthday greetings, bottle of wine?" で 8分音符のクロマチック・スケールが、ボーカルのリズムとシンクロしていて、センスのよいベース・フレーズを披露している。

ドラムは珍しく、ブラシを使って叩いている。特に Aメロの部分は、スネアを擦るような演奏していて、もうジャズの世界である。あと特徴的なのは、1コーラス目の最後のほうで、チューブラ・ベルの音が入っている。この音の入るタイミングが絶妙で、音数も多すぎず少なすぎず、静かな曲調の中にちょっとしたアクセントをつけている。

コード進行もいたってシンプル、基本、C# メジャーのダイアトニックである。無難なコード進行ではあるが、しいて言えば、Aメロの最後の部分 "Will you still need me, will you still feed me, when I'm sixty-Four" の部分で、F#→C#→A#→D#→G#7→C# という進行となっており、ノン・ダイアトニックの A# や D# が登場しているくらいか。

Aメロが終わった後、Bメロ "You'll be older too..." に入る数小節間、ボーカルがなくなる部分があるが、ここでおもむろにコーラスが入ってくる。同様な箇所が 2コーラス目にも登場するが、今度はボーカルが入っていて、ジョンとジョージのコーラス "We shall script and save" も、ポールのボーカルを追いかけるような感じで、1コーラス目と比較して変化をつけている。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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