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ビートルズ "Think For Yourself"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 106回目、今日の楽曲は...

アルバム RUBBER SOUL A面 5曲目 "Think For Yourself"

サウンド:★★☆
メロディ:★★
リズム :★★☆
アレンジ:★★
第一印象:★★
スルメ度:★★
独創性 :★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ジョージの作品。ファズの効いた低いベース・サウンドが特徴的である。Aメロ "I've got a word..." では、このファズ音がノーマル音のベース・ラインとほぼユニゾンになっており、音の重厚さをより増しているような感じがする。ボーカル・ラインは、ジョージお得意のシンコペーションの嵐である。これはこのあとに収録されているジョージの作品 If I Needed Someone でも、同じような傾向のボーカル・ラインが聴ける。

Aメロの途中 "to say about the things..." で入るコーラスが、なかなか素晴らしい。それまでのジョージのソロ・ボーカルに対して、ジョンとポールが加わって重厚な 3部コーラスとなっている。ピンポイントで 3部コーラスとすることで、そのインパクトの大きさを最大限に引き出している感じがする。コード弾きの楽器が、左チャンネルから聞こえるギターぐらいしかなく、曲全般的に伴奏系のサウンドが薄い。それに比べて、ボーカルとコーラスの重厚感が印象的である。

リズムは、ドラムに加えてマラカスとタンバリンがほぼ全域で使用されている。特にマラカスは、ハイハットの代わりに使われているような感じで、Aメロでは 8ビート、サビ "Do what you want to do..." からは、16ビートっぽいグルーブを出している。ドラムのリズムは、Aメロではハーフ・テンポのパターン、サビからはオーソドックスな 8ビートと、比較的シンプルではあるが、何気に入る 2拍 3連のフィルインがちょっとしたアクセントになっている。

キーは、Gメジャー。Aメロのコード進行は、Am→Dm→Bb→C→G→G7... となっており、ボーカルがはいる直前に 2拍 3連のリズムで G音、G#音、A音と続いて Am にいくところなど、やや怪しげな雰囲気をかもし出している。サビでは、C7→G7→Bb→D→G という進行で、メジャー・コード主体の進行となっており、Aメロの対比して軽快な雰囲気となっている。

ジョージの作品では、デビュー作の Don't Bother Me では、正直いまひとつパッとしない出来栄えではあったが、この曲と If I Needed Someone あたりから、次第にソング・ライターとしての実力が表れ始める転機になっていると思う。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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