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ビートルズ "Eleanor Rigby"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 90回目、今日の楽曲は...

アルバム REVOLVER A面 2曲目 "Eleanor Rigby"

サウンド:★★★☆
メロディ:★★★★☆
リズム :★★
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★☆
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★★
演奏性 :★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

イントロなしで、いきなりサビから始まる。しかも、今までの曲にはなかったストリングスだけのアレンジで、新しい音楽的な展開を試みている。このストリングスは、単にコードを付けるだけでなくリズムはもちろん、オブリガードまで随所に入れており、全体からみても非常によくできたアレンジだと思う。アレンジは、ジョージ・マーティンによるもの。

Aメロ "Eleanor Rigby, Picks up the rice in..." のメロディは、3回繰り返されるが、いずれもストリングス・アレンジは異なる。特に 3回目のアレンジがすごい。最初はロングトーンで静かに下がってくるバイオリンに対し、"Father McKenzie..." のあと、ボーカルとユニゾンで、せりあがってくるようなチェロのフレーズが、強烈なインパクトを与えている。

キーは Eマイナー。コード進行は、超シンプルで、サビは C→Em→C→Em、Aメロも基本、Em と C のくりかえし。こんな単純なコードだけで、これほど素晴らしいメロディ・ラインが書け、ストリングス・アレンジができるとは、「さすがです」としか言いようのない。文献によると、ストリングスは外部ミュージシャンによる弦楽 8重奏。バイオリン 4人、ビオラ 2人、チェロ 2人とのこと。当然ながら、ビートルズの 4人は、演奏には参加していない。

ボーカルは、基本、ポールのソロだが、サビ "Ahh look up all the lonely people..." の部分だけ、ジョンとジョージがコーラスで参加している。また、最後の部分で、"All the lonely people..." と歌うところで、サビのメロディ"がかぶさってくるところなど、小粒だが凝ったボーカル・アレンジがみられる。

アルバム REVOLVER あたりから、バンドでのライブ演奏が困難な曲が増えてくる。この曲もバンドで無理にやろうとすると、キーボード担当がシンセサイザーを駆使して、八面六臂の大活躍をしなくてはならない。チェロのパートはベース・ギターでもよいかもしれないが、いずれにしてもバンドでやる曲ではないだろう。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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