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ビートルズ " It's Only Love"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 124回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! B面 2曲目 " It's Only Love"

サウンド:★☆
メロディ:★★
リズム :★
アレンジ:★★★
第一印象:★☆
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

2分にも満たない短い曲。イントロのギターもシンプルなフレーズで、しかもなんとなくフワフワしているような音で頼りない感じ。正直言って地味な曲ではある。文献によると、ジョンが嫌いな曲として有名とのこと。特に歌詞が最低だったらしいが、ジョン、あなたご自身が作詞されたのではないでしょうか?

それはさておき、この曲の聴きどころはギターの多さかと思う。なんと5本ものギターが使われており、そこまでギターにこだわらなくても、ピアノとか弦楽器とか他の楽器アレンジは考えつかなかったのだろうか。そのギターの構成は、イントロから入っているコード・ストロークのJ-160E、2小節目からコード・ストロークで入る12弦ギター。この12弦ギターは、5フレットにカポタストをつけて弾いているので、かなり高い音域で録音されている。

そして、エレクトリック・ギターが 3本。うち 2本でリフを弾き、もう1本で短くリズミカルにコードを弾いている。リフを弾いている2本の片方には、トレモロをかけているため、なんとなくフワフワしているような感じがするかと思う。ベースとドラムはほとんど目立たず、ときおり入るタンバリンが、リズムの要(かなめ)のような気がする。

キーはCメジャー。Aメロ "I get high when I see you..." では、C->Em->Bb->F->G->Gaug とやや変則的で、コードBb や Gaug がなかなかスパイシーな感じ。この部分では、ベースが半音下降のクリシェとなっていて、美しい響きをかもし出している。サビ " It's only love and that..." からは、Bb→G→C→Am→Bb→G→F→C となっていて、ここでもノンダイアトニック・コードの Bb が大活躍している。シンプルなアレンジがゆえ、このような何気ないコードの使い方が目立っている。

ボーカルのコーラスもなく、間奏のソロがあるわけでもなく、とりたてて特筆すべき箇所があるわけでもないが、ただ、なんとなくボブ・ディランを彷彿とさせるサウンドがピリリと光る「小粒」ナンバーである。山椒みたいな曲かと言ってしまうと、さすがにジョンに怒られるかな。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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