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ビートルズ "Within You Without You"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 83回目、今日の楽曲は...

アルバム SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND B面 1曲目 "Within You Without You"

サウンド:★★☆
メロディ:★★☆
リズム :★★
アレンジ:★★
第一印象:★
スルメ度:★★
独創性 :★★★
演奏性 :★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ジョージの曲。このアルバムに収録されているジョージの作品は、この曲が唯一である。アルバム REVOLVER に収録されている Love You To と同じく、タンブーラ等が全面にわたって使用されているインド音楽。これを B面 1曲目にもってくるとは、ジョージはもとより、他のメンバーにおいても、相当の自信があったのだろう。

しかし、この曲を収録すると決めたときに、アルバムのどの位置に入れるのか、かなり悩んだのではないだろうか。アルバム全体が、架空のバンドのライブをコンセプトとしている都合上、他と比べて一線を画すこの曲を置く場合、ライブ感のある最初の曲と最後の曲から一番離れた位置、つまり、真ん中あたりに置くのがベストではないかと考えたのかもしれない。ともあれ、美しいメロディの曲ではあることは確かだ。

この曲の特徴は、インド楽器とバイオリン等の西洋楽器との調和にある。特に間奏は、その美しいコラボレーションの宝庫であり、この間奏部分だけでもかなりの聴きごたえがある。しかも、間奏でのメロディは Aメロと基本的に同じだが、メロディのテンポを倍にするという技法を用いている。曲全体としおては約 5分ではあるが、そのうち間奏が約 1分20秒も占めており、ジョージはこの間奏部分にもかなり力を入れていたものと思う。

拍子は基本 4/4拍子だが、途中で 2/4、3/4 がしれっと入り、地味に変拍子の曲ではある。ただ、ドラムのような明確なリズムがないこともあり、拍子の頭は非常にとりにくい。ちなみに間奏部分は 5/4 拍子となっている。コードについては、あってないようなものだろう。ほとんど C# 一発というか、コードそのものがあまり明確でない作りになっている。その C# と思しきコードに対し、メロディ・ラインには、E や B が使われるなど、ブルー・ノートのようなインド風味なスケールが使われている。

ちなみに、ジョージはボーカルと間奏のシタールを担当したが、他の 3人のメンバーは何もしていない。というか、参加のしようがなかったのだろう。文献によると、レコーディングに参加した外部ミュージシャンとして、タンブーラ、タブラ、ソードマンデル等のインド楽器演奏には、「アジア音楽サークル」のメンバー(インド人)が、バイオリン、ビオラ等には 11人が参加したとのこと。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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