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ビートルズ "Baby's In Black"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 132回目、今日の楽曲は...

アルバム BEATLES FOR SALE A面 3曲目 "Baby's In Black"

サウンド:★★
メロディ:★★
リズム :★★
アレンジ:★★
第一印象:★★☆
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

6/8拍子の曲。ゆったりとした 3連系のリズムが一時の清涼感を与え、ジョンとポールの 2部コーラスもバッチリ決まっていて、非常に安心感の漂う曲である。曲の最初から最後まですべてジョンとポールのコーラスがぶっ通しで聴けるのは、後にも先にもこの曲だけである。そういう意味で、貴重なナンバーと言えるだろう。

イントロのギターはジョージによるものだが、このリフは曲中で何回か登場している。しかし、イントロのリフだけ、最初の音が 8分音符分だけ長くなっていている。つまり曲の出だしは拍の頭ではなく、8分音符でシンコペートされているのである。これはよく聴いていないとわからない、一種のビートルズ・マジックだ。

演奏は、アコースティック・ギターのコード・ストロークをメインに、基本に忠実なベースとドラムで構成されている。また、ときおり入るギター・リフが単調感を防ぎ、スパイス的な要素となっている。ただ、ギター・ソロがやや雑っぽい感じがする。文献によると、ジョージはソロでバイオリン奏法を取り入れたかったが、弾きながらボリューム・ノブを回すことができなかったため、オーバー・ダブ時、ジョンがジョージの前に座って、ジョンがギターのボリューム・ノブを回していたらしい。なんともシュールな光景である。

Aメロ後半の "She thinks of him..." の部分、伴奏がなくなりドラムだけになるが、なんとキックで 8分音符を刻み始める。これはちょっと普通の感覚では思い付かないリズム・アレンジである。キックの 8分刻みは、このアルバム後半のEvery Little Thingsでも見られる。

キーは Aメジャー。Aメロ "Oh dear, what can I do..." のコードは、A→E→D→E→A→D→A→E と超シンプル。その後の "She thinks of him..." からは、A→AM7→A7→D... となっていて、クリシェが登場し前半のトライアドと対比するかのごとく美しい響きをかもし出している。そしてサビ "Oh how long will it take..." では F#m→B7→D→E... となり、唯一のマイナー・コードがこの曲の盛り上がりを演出するという、珍しいコード進行になっているのが特徴的である。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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