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ビートルズ "I'm Looking Through You"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 111回目、今日の楽曲は...

アルバム RUBBER SOUL B面 3曲目 "I'm Looking Through You"

サウンド:★★
メロディ:★☆
リズム :★★
アレンジ:★★
第一印象:★☆
スルメ度:★★☆
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

高い音域でのコード・ストロークから始まり、次第に下がってくるアコスティック・ギターの音がなんとも軽快である。カントリーっぽい感じがするこのギターは、ジョンのJ-160E。そのギターに絡むような形で、ポールのボーカル、ベース、ドラムが入ってくる。音質的にはけっこう固めというか、シャキッとした印象を受けるが、そのわりにはベース音が霞がかかったような薄い音なのが気になる。

ベースは、音色的にはヘフナーと思われるが、文献によってはリッケン4001という説もある。このアルバムの他の曲はすべてリッケン4001で弾いていると思われるので、この曲だけヘフナーというのも合点がいかない。まぁ、どちらでもよいが、もう少しクリアな音でベースのフレーズを聞きたかったと思う。

加えて、摩訶不思議なのはドラム。ハイハットやシンバルは叩いておらず、バスドラとスネアしか聞こえてこない。8ビートを刻んでいるのが、パタパタという音で、膝を手のひらで叩いているとのこと。あとは、ハンド・クラップやタンバリンでリズム・パートを補完しているようである。

キーは Gメジャーだが、テープ操作で半音程度高くなっているようである。コード進行的には、Aメロ "I'm looking through you..." では、G→C→Am→Em7→D...。Bメロ "Why tell me why did you..." からは、C→G→G→Dsus4→D... ときわめて普通。アコギでのローコード・ストロークにとって、気持ち良く弾ける進行かと思う。

ジョージは、コーラスとエレクトリック・ギターで参加している。コーラスは、Aメロの途中の 4小節 "You don't look different But you have changed" のみで、ポールのボーカルの下側を絶妙な音程でハモリをつけている。このハモリがなんとも素晴らしい。エレクトリック・ギターはあまり出番がなく、途中で入る短い単音オブリガードや、キャッキャッという甲高いコードを鳴らし、アクセントをつけている程度か。

他の RUBBER SOUL 収録曲にも言えることだが、バッキング演奏的には使用楽器は少なめで、必要最低限の音しか出さないような印象を受ける。かといって、スカスカ感はなくサウンド的にまとまって聞こえるのが、不思議ではある。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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