ビートルズ "What Goes On"、私が感じ取った曲の印象
ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。
第 109回目、今日の楽曲は...
アルバム RUBBER SOUL B面 1曲目 "What Goes On"
サウンド:★☆
メロディ:★☆
リズム :★
アレンジ:★
第一印象:★
スルメ度:☆
独創性 :★
演奏性 :★★★★★
<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>
原曲はクオリーメン時代に作ったものらしく、ずいぶん古い曲を持ち出してきたものだと思う。リンゴがメインボーカルをとっているからと言うわけではないが、いまひとつピンと来ない曲ではある。演奏もシンプルで、ギター 2本とベース、ドラムという構成。
ギターのバッキング・パターンが独特で、必要最低限の音しか出していないような感じである。イントロから入る高めのギター音は、ジョージのストラトで、チェット・アトキンス奏法で弾いている。低いギター・リフはジョンのリッケンバッカーだろう。いずれもリズミカルで、カントリーっぽい響きをうまく出していると思う。
コーラスが何気に凝っている。イントロに続いてのサビ "What goes on in your heart" では、ポールとジョンによるガッチリとした 3部コーラスで決め、Aメロ "The other day I saw you..." からは、控えめな Uhh コーラスと変化をつけている。
リンゴのドラムは、珍しくフィルインが一切入らないという、リズムマシンのようなパターンを延々と叩いている。このハイハットのシャッフルを、そこそこ速いテンポで正確に叩き続けるというのはなかなか難しい。しかも、キックのリズムとのコンビネーションにも神経を集中しなくてはならず、意外とたいへんなドラミングかと思う。
キーは Eメジャー。Aメロのコードは、E7→A7→E7→A7→B7→E7 となんとなくブルース進行っぽい動きをしている。サビからは、E7→Am→E7→Am→B7→E7... となっていて、サブドミナント・マイナーの Am がやや新鮮な響きをかもしだしている以外は、特に特徴はない。
RUBBRT SOUL におけるこの曲は、前作の HELP! に収録された Act Naturally と同じ位置付けになるのだろう。(両曲ともそれぞれB面トップ)。文献によると、リンゴがメインボーカルをとる曲が必要であるというという理由で、一部リンゴの楽曲制作に参加したこの曲を持ち出してきたとのこと。作曲者には "LENNON/McCARTNEY/STARKEY" とクレジットされ、リンゴのソングライターとしての記念すべきデビュー作でもある。
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