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ビートルズ "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 87回目、今日の楽曲は...

アルバム SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND B面 5曲目 "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)"

サウンド:★★★☆
メロディ:★★★☆
リズム :★★★
アレンジ:★★★
第一印象:★★★☆
スルメ度:★★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

前曲からほぼメドレーで、「カッカッカッカ...」というガイド・リズムっぽい音に、ポールのカウント "One Two Three Four!" がかぶる。それに続き、ライブ会場のざわめきとドラムの 8ビート・パターンが 4小節入って、ギターとベースが入る。幻想の世界から、一気に現実に戻された感じがする。まさに、”ライブ・ショウ”のエンディングにふさわしい、なんとも心憎い演出である。

オープニングの曲と同じタイトルの曲だが、テンポが早くなり、キーも Gメジャーから Fメジャーに変わっている。歌詞やボーカル・ラインも変わっていて、歌い方も軽やかになっており、リプライズとはいえ曲調はずいぶん違う。サビにあたるフレーズがなく、Aメロを 2回くりかえすだけというシンプルな構成ではあるが、2コーラス目から唐突に転調して Gメジャーとなり、1分18秒という短い曲ながら変化を与えている。

ボーカルも全編にわたって 3部コーラスになっており、ストレートな雰囲気をかもし出しつつも、アルバム冒頭曲のあるような重厚さも残している。また、ボーカルの合間にチョロチョロ入る、ギターのオブリガードもなかなかカッコいい。曲の最後のほうでは、拍手の中、ちょっと哀愁のかかったアコースティック・ギターの音が入り、次の A Day In The Life にクロスフェードする形でつながっていく。

この最後のクロスフェードが、”ライブ・ショウ”の余韻を残し、次の曲へ引きずり込むような感じがして、一瞬、不思議な感覚に陥る。ライブが終わり、この壮大なアルバム Sgt. PEPPER'S の最終曲への橋渡しとして、秀逸な演出ではないだろうか。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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