見出し画像

ビートルズ "Michelle"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 108回目、今日の楽曲は...

アルバム RUBBER SOUL A面 7曲目 "Michelle"

サウンド:★★☆
メロディ:★★★
リズム :★★
アレンジ:★★★☆
第一印象:★★★
スルメ度:★★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

Yesterday と並ぶ、ビートルズ中期におけるポールの、アコースティック曲の代表格である。なにせイントロからして美しい。このイントロは、サビの後半の部分 "I will say the only words I know..." と同じコード進行で、Fm→FmM7→Fm7→Fm6 という半音降下のクリシェ・パターン。

さらにすごいのは、ここのベースのフレーズが、コードのルートとは全く異なる動きをしているのである。普通では考えもつかないフレーズを、しれっとベース・ラインに潜り込ませるセンスは、さすがとしか言いようがない。

そして、Aメロ "Michelle, ma belle..." からのコード進行は複雑極まりない。Fマイナーと思しきキーが、Aメロから Fメジャーに転調しているのだ。F→Bbm7→Eb6→Ddim→C→G7→C という進行となっており、もはや普通ではない。

途中に登場する Ddim の響きが切ない感じがしてよい雰囲気である。サビ "I love you, I love you..." からは、Fm→Ab7→Db→C7→Fmとなり、このあとにイントロでも使われたクリシェ・コードが続く。サビでマイナー・キーに戻っている構成ともとれる。

間奏では、ジョージのストラトによるギター・ソロが聴ける。トーンをかなり落とした甘くまろやかな音色である。ソロのフレーズも、頭抜きの 3連符を多用するなど、滑らかな動きを意識しているようである。この曲のイメージにあったソロかと思う。

演奏面では 2本のアコギとベースに加え、バック・コーラスが何気に重厚感をかもし出していて、この曲を印象付ける重要なパートとなっている。このコーラスは、Aメロに入っており、ポールとジョンとジョージによるおなじみの 3部コーラスかと思う。このような 3部コーラスは、ライブで演奏する場合、メインボーカル以外に 3人必要となるので、4人編成のコピー・バンドの場合、ドラム担当にもコーラスを手伝ってもらわなくてはならない。そういう意味で難易度の高い曲である。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?