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ビートルズ "The Night Before"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 117回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! A面 2曲目 "The Night Before"

サウンド:★★
メロディ:★★
リズム :★☆
アレンジ:★★
第一印象:★★
スルメ度:★☆
独創性 :★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

流れるようなベースとドラムのラインに乗せて、リズミカルなギター・コードが入る。ビートルズとしては珍しく、清く正しくまとまったサウンドのイントロである。典型的な 8ビートで、思わず踊りだしたくなる。出だしの部分、ベースが 8分音符で引っ掛けているのがミソ。

8小節のイントロのあとは、ポールによるメインボーカルと、それを追いかけるようなジョンとジョージのバック・コーラスが入る。シンプルなボーカル・ラインではあるが、このバック・コーラスがメイン・ボーカルを引き立たせて、サウンドに厚みを持たせている。

演奏面では特に難しいことはしていないが、リンゴが叩くドラム・サウンドに特徴がある。まず、8分音符の刻みはハイハットではなく、トップ・シンバルを叩いている。それゆえ、曲全体を通して「シャー」というノイズっぽい音が目立ち、固めのスネアの音と相まって、スピード感も出ているような印象を受ける。

そして、サビ "Last night is the night..." からは、刻みは引き締まったクローズド・ハイハットの音に変わり、フレーズごとにリズムに変化を持たせている。しかもこの部分ではタムを多用し、まるで I Feel Fine のようなドラムのリズム・パターンになっているのが興味深い。

間奏部ではギター・ソロが登場するが、小間切れフレーズをつなげたような感じで、ちょっと地味な感じがする。ただ、オクターブ・ユニゾンでのプレイとなっており、シンプルながらも音に厚みを出しているところが心憎いアレンジである。上のパートはジョージと思われるが、下のパートは文献によって異なり、ポール説とジョン説があるようだ。

キーは Dメジャー。Aメロ "We said our goodbyes..." では、D→C→G→A→D→C→G とトライアドの連続となっており、コードC が特徴的。続く"Now today I find..." からは、Bm→Gm6→Bm→Gm6... とマイナー・コードがメインとなって雰囲気が変わり、バック・コーラスもなかなかいい味を出している。サビからは、Am→D7→G→C→G→Bm→E7→A7となっていて、最初の Am で Cメジャーに転調しているとも聞き取れる。そして最後の E7 と A7 で、D に対するドッペル・ドミナントを形成し、さりげなく Dメジャーに戻している。なかなかオシャレ。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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