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ビートルズ "And Your Bird Can Sing"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 96回目、今日の楽曲は...

アルバム REVOLVER B面 2曲目 "And Your Bird Can Sing"

サウンド:★★★★☆
メロディ:★★★★
リズム :★★★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★★
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

個人的に好きな曲である。特にギターがカッコいい。イントロは、いきなりツイン・リードによる流れるようなスマートなメロディ。これだけでも聴く(コピーして弾く)価値があると思う。このツイン・リードによるギター・リフは、いたるところで登場していて、この曲のサウンドの大きな特徴となっている。間奏のソロはもちろんのこと、オブリガードとしてもよく考えられたリフである。

ベースも踊りまくっている。バッキングは、ギターの 4分音符でのストロークぐらいしかなく、ドラムも 4ビートっぽい感じで、総じてスカスカなリズム。これに対し、このポールの躍動感あふれるベースの存在感は大きい。小節の2拍目でオクターブ上がるベース・フレーズは、Taxman にちょっと似ているような感じがして、タイトである。

キーは、Eメジャー。Aメロ "You tell me that..." のコード進行は F→F#m7→A→E... とごく平凡。Bメロ "When your prized..." からは、G#m→G#mM7→G#m7→C#9 となっていて、コード自体はありふれているが、半音降下のクリシェ・パターンを描いていて、なかなか美しい。裏で鳴っているツイン・リードのギター・フレーズが、何気にボーカル・ラインとマッチしている。

よく聴くと、ドラムはオーバー・ダブしていて、右チャンネルにハイハットが小刻みにオープン-クローズさせながら叩いている音が入っている。メインのドラムは、やや左寄りに入っているため、これを補完するかのようなハイハット・ワークである。さらに、タンバリンも入っている。ちょっと凝ったリズムの作り方をしていると思う。

あと、聴きどころとしては、間奏のあと 3回目の Aメロ "You tell me that..." のコーラスがあげられる。メイン・ボーカルのジョンの声に、ポールの高い声での見事なハーモニー。この高揚感を曲の最後のほうにもってくることで、約 2分という短い曲でありながら、メリハリのある構成に仕立て上げていると思う。

そして、例によって不可解なエンディング。ツイン・リードのギター・ソロのあと、ストロークの「ジャーン」で終わるが、このコードはサブドミナントの Aなのである。なので、コードとしての終止感がなく、フワっとした終わり方になっている。しかもベースは、高い音の E音をくり返し奏でているという、よくわからないエンディングになっている。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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