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ビートルズ "Help!"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 116回目、今日の楽曲は...

アルバム HELP! A面 1曲目 "Help!"

サウンド:★★☆
メロディ:★★☆
リズム :★★☆
アレンジ:★★☆
第一印象:★★★
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

アルバム・タイトルチューン、同名映画主題歌でもある。いきなりバック・コーラスの "Help!" で始まり、その合間を縫うようにジョンの力強いメイン・ボーカルが入る。このインパクトのあるイントロがカッコいい。その後に続く Aメロ "When I was younger so much..." では、早くもお得意の「掛け合いコーラス」が登場し、見事なボーカル・ラインを形成している。

しかもこの「掛け合いコーラス」が、地味に凝っている。まず最初の "When I was younger…" では、メイン・ボーカルのジョンが先行しているが、その次のフレーズ "I never needed..." では逆転して、バック・コーラスが先行している。この行ったり来たり感が、なんとも絶妙で美しい。

演奏面はそこそこシンプルだが、ジョージによるギターのカウンター・メロディが、この曲にちょっとしたスパイスを与えているいるようだ。例えば、イントロから Aメロに入る部分、一瞬バック演奏が止まりギターの高速16分音符のダウン・フレーズが入る。同じフレーズが、1コーラスから 2コーラスに移る部分でも入る。このフレーズはなかなかのインパクトがあり、この曲を特徴づけるサウンドでもある。

そして、サビ "Help me if you can, I'm feeling down" の後、低い音で 2分音符で下がるカウンター・フレーズも、隠し味的なギター・サウンドかと思う。この曲はいわゆる間奏でのギター・ソロがなく、曲全体の構成としては平凡ではあるが、このような細かいところでギターのフレーズを入れるというアレンジが、秀逸かと思う。

ベースとドラムは、ごく普通の 8ビートのパターンをメインにプレイしていてと、特に難しいことはしていないようだ。ただ、テンポが速いので、ハイハットは 4分音符で叩いているのかと思いきや、しっかり 8分音符で叩いている。さすがリンゴ、恐るべし。スネアの音も「カン!」といったリムショット気味の音で、スピード感がある。

キーは Aメジャー。イントロでのコードは、Bm→G→E→A となっていて、ギター低音弦で単音2分音符の B→A→G→F#→E を弾いている。このギター・フレーズを分割したものが、先ほど書いたカウンター・フレーズでも使われている。Aメロからは、A→C#m→F#m→D→G→A となっていて、ここでもコードG が効果的に使われている。サビからは、イントロと同じコード進行が流用されている。

そして、最後は美しいハーモニーのコーラス "oooh..." で終わる。このコードはすっかり定番になった6thコード(A6)である。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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