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ビートルズ "I'm Only Sleeping"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 91回目、今日の楽曲は...

アルバム REVOLVER A面 3曲目 "I'm Only Sleeping"

サウンド:★★☆
メロディ:★★☆
リズム :★★☆
アレンジ:★★★☆
第一印象:★★☆
スルメ度:★★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

この曲もイントロなしで、いきなりアコースティック・ギターのストロークをバックに、ジョンが歌いだす。曲タイトルどおり、なんとなく眠そうな気だるい感じの歌い方である。サウンド的に特徴的なのは、ベースの音。例によって、比較的動き回っているフレーズだが、音色自体はかなりソフトである。このホンワリとしたベース音が、さらに眠気を誘う。

コーラス・ワークが何気に美しい。Aメロの最後のほう "float up stream..." に続く、追いかけコーラス、そしてその後の "Please don't wake up..." に重なる短めのスキャット "Ooo, Ooo" がキマっていてなんともカッコいい。

そして、2コーラス目の途中 "Running everywhere at such..." からサイケの象徴である「テープ逆回転サウンド」が、お出ましになる。ギターの逆回転だが、オブリガードで入れているというより、SE に近いような響きかと思う。

キーは、Ebマイナー。コード進行は Aメロ "When I wake up in..." からは Ebm→Abm→Gb→B→Gb→Bb7... とごく普通。Bメロ "Please don't wake up..." からも、Gb→Abm→Bbm→Abm→BM7... とこれまたありふれている。サビ "Keeping an eye on..." からも同様、Dbm7→Eb7→Abm→Abm7→EM7 となっていて、特に難しいことはしていない。

間奏も、ギターの逆回転サウンドのオンパレード。ここの部分は、一応フレーズを意識したラインになっているようである。このような逆回転サウンドは、完成時のフレーズを逆に弾いて録音するという、かなり手の込んだやりかたかと思う。そこまでしてやり遂げることで、この曲にふさわしい「音」に対する執着心がよく表れているのと同時に、新しいレコーディング技術を開発していく野心が垣間見れる。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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