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ビートルズ "For No One"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 97回目、今日の楽曲は...

アルバム REVOLVER B面 3曲目 "For No One"

サウンド:★☆
メロディ:★★★☆
リズム :★★☆
アレンジ:★★★
第一印象:★★
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

イントロなしで、いきなりポールのボーカルから始まる。そしてこの曲も、Yesterday と同様、ほとんどポールのひとり舞台であり、定番の 3部コーラスもバック・コーラスもなく、いたってシンプルなボーカルである。加えて、演奏もかなり地味な感じで、ピアノとクラビコード、ベースぐらいしか使用されていないようだ。ピアノの低音弦の響きが、なんとも透明感があって、聴いていて心地よい。

ドラムは「一応」入っているが、叩いているのかどうかわからないほど弱々しい。他にも、タンバリンやマラカスのような音も入っているが、いまひとつ中途半端感が否めない。聴きどころとしてしいて言えば、サビ "And in her eyes you see nothing..." から始まるベースのフレーズが地味にカッコいい。2小節目と4小節目で階段をのぼるような8分音符を奏でており、ボーカルの上昇ラインとうまく調和している。

キーは Bメジャー。Aメロ "Your day breakes, your mind aches.."からのコードは、B→Ebm→Abm→B→EM7→A→B→Ebm→Abm... という進行で、ありふれてはいるが、A を使っているところにやや変化を持たせている。サビからは、Dbm→Ab7→Dbm→Ab7→Dbm→Ab7→ Dbm→Gb7 となっていて、こちらもごくごく普通。Dbm に対するドミナント・コードとして、Ab7 が使われているところにちょっとしたスパイス感がある。

特筆すべきは、間奏のフレンチ・ホルンの音。このような楽器をソロとして前面に出す楽曲は、いままでないに等しく、新たな方向性を見い出している。このフレンチ・ホルンのフレーズは、最後の Aメロ においても使用されており、この曲を特徴づけるサウンドとなっている。

なお、例によってジョンとジョージは、コーラスも含めこの曲のレコーディングには参加していないようである。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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