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麹への愛をしたためてみる

麹への愛を恋文にてしたためる一席。

ー愛おしい麹へ捧ぐー

馴れ初めは、山梨県は甲府市にある五味醤油さんの蔵元にて。

お目当は、お味噌のワークショップと蔵の見学であった。

このとき、こんなに心揺さぶられる出会いがあるとはつゆ知らず。ガルボ頬張り電車に揺られたわたくし。

五味醤油さん。実はお店でもむちゃくちゃお世話になっていて、江戸っ子よりも粋なんじゃないかと思うくらい、イケてる兄妹ひとしさん&ようこさん(その名も発酵兄妹)が蔵を継いでいるそうな。

味噌作りの傍、この世に発酵文化を広めるべくワークショップやイベント、ラジオにとマルチにこなす器用な兄妹。

(森道市場に出店していたようこさんに遭遇した時は嬉しくて震えた。)

昔はお醤油も仕込んでいたそうで、創業150年の老舗、人生では大先輩だ。

仕込んでいる「甲州味噌」はもちろんうまいのだけど、昔ながらの木桶仕込みで、つかう麹も手づくりなんて聞いてしまったら。ニヤニヤしてしまいます。

【甲州味噌とは】
お味噌づくりに欠かせない麹。米麹や麦麹、豆麹と種類はさまざま。基本は1種類のみの麹をつかうが、甲州味噌は「米麹」と「麦麹」の2種をつかったこの地方ならではの味噌だ。

(さて、いつものお喋りがでてしまった。猛省)

馴れ初めの話に戻しましょう。

蔵を案内してもらう途中。

もくもく

立ちあがる真っ白な湯気。

黙々。

作業をしているかっこいいおっちゃんが2人。

何をしているのかと尋ねたところ、「麹をしこむための米を蒸している」とのこと。

わぁ〜。と思わず乙女な歓声をあげてしまう。

この蒸されたお米たち。


麹室と呼ばれる杉でできた部屋に運ばれ、温度を下げて「麹菌」と合わせていく(種づけ)。

いかにムラ無く、そして手早く混ぜるかが腕の見せ所だ。

【麹菌とは】
食べられるカビのことで日本にしかない国菌。(イカすっ!)
全国に10件くらいしかない、もやし屋さん(種麹屋)さんから仕入れていて、菌ごとに色も様々。個性があるんですって!トキメキ☆(今、麹と麹菌についての自由研究を進めていてたくさん話したいのですがまたの機会にお話したいです。)

そして、ここからが大切なのだ、とひとしさん。

3日間くらいかけてじっくり発酵させていくのだが、その過程で麹菌たちがわっしょいわっしょいと増殖祭りをはじめるそう。

温度がグググと上がりはじめるので、要注意っ!

換気をしたり、時にはヒーターをいれたりしながら温度管理をしていく。

「36-40℃」

これが旨味を生みだす最強の温度と言っていた。(くぅ!しびれる)

温度が下がりすぎても元気のない麹になるし、上がりすぎたら菌のよさがなくなってしまうから、子育てみたいだなと独身の私はキュンとした。

ここから4日もかけて乾燥させてやっと完成。

これはちょっとしたウルルンの世界だ。


麹を目の前にし、そんな話を聞いていたら愛おしくて愛おしくてたまらなくなった。

ーその晩ー

発光兄妹のお二人。そして若尾さんにしょいこさんたちと、山梨の発酵酒場にて晩酌をした。

五味さんところの麹たちも大活躍していて、その旨さと可能性に大感動。

ますます心を鷲掴みにされる。

そう、フォーリンラブとはこのことだ。アイラブユー。

あずさに揺られながら、ほろ酔いで麹たちを思い出す夜なべだった。

ほんとは今年、お味噌をつくりに遠征しに行きたかったのだけど、未知のウイルスが猛威をふるっているためしばらくお預け。

これは、麹をつかった調味料たちとイチャイチャする贅沢な時間がきたぞと、ほくそ笑んでおります。

ほんとはもっと早くこの記事を書きたかったのだけど、何度も書き直してようやくかけた(文才のなさよっ!天晴れ也!)

レシピのストックは、花束くらいはしてある。まだまだ研究中。

ゆえに、明日から五味さんとこの麹をつかったレシピたち

「解禁」

です。

お後がよろしいようで。

食べたいものをつくる人 高橋 拝。

(追記)
お気に入りは「手前みそのうた」と「こうじのうた」。

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