童話「おばあちゃんはマスクやさん」
きみこのおばあちゃんは最近、マスク屋さんを始めた。病気の予防のためにマスクをする人が急に増えて、お店で売り切れて買えなくなったのがきっかけだ。
「売っていなけりゃ作ろう」
と、おばあちゃんはミシンでたったかたと家族みんなの分を縫ってくれた。きみこのマスクは水色に子犬の模様。幼稚園のお弁当袋のはぎれで、大好きな柄だ。口に当たるほうに使ったガーゼはきみこが赤ちゃんの時に使ったものだというけれど、そっちはよく覚えていない。だってきみこはもう3年生だから。
きみこたちがおばあちゃん