見出し画像

初めて買った12インチの話。Aphex Twin「Girl/Boy EP」

G7サミットがイギリスのコーンウォールで開催されている。コーンウォールといえば、エイフェックス・ツイン生誕の地ということで、初めて買った12インチレコード、「Girl/Boy EP」のことを書いてみる。

自分がレコードを買い始めたのは1994年か1995年頃だった。ソニーのフルオートプレーヤーを近所の電器店で買ってもらったのだ。父親が青春時代に購入したと思われるTRIOの4チャンネルのばかでかいステレオセットにレコードプレーヤーもついてはいたけれど、針が折れていて使い物にならず、ラジオ再生機と化していた。

それから、高校の放送室にあった古いTechnicsのターンテーブルも拝借してみたものの、フォノアンプが無かったのでこれも使えなかった。もちろん、TechnicsのSL-1200に憧れはあったものの、それは高嶺の花で、到底手の届く代物ではなかったから、仕方なくソニーのフルオートにした。それでもまだレコード再ブームって時代ではなかったのか、田舎だからってのかはわからないが、店頭には無かった。

で、プレーヤーを手に入れた後は、コツコツとお小遣いをレコードに費やす日々だ。お金もないので、基本的にアルバムをメインに買っていた。当時はロッキング・オン読者だったので、誌面に広告が載っていたULTRAというレコード店をメインに利用していた。たぶんCISCOとかVINYLとかも広告掲載していた気はするけれど、ULTRAは初心者に優しそうなイメージがあったので。

1994年頃は渋谷系と時を同じくしてテクノがブームだった。当時、電気グルーヴの「テクノ専門学校」というシリーズが火をつけて、ソニーからWarpとかR&Sとかテクノレーベルのタイトルが続々とCDでリリースされていた。で、田舎のCDショップでも、テクノコーナーが出来たりして、それまでロック一辺倒だった自分も少なからずテクノに興味を持ち始めた時期でもあった。ロッキング・オンのディスクレビューにも掲載されていたのかもしれない。そしてカッコつけて「リミックス」という雑誌なんかも買いだして、田舎の高校生がよくわからないまま読んだりもしていた。

その頃、友人がエイフェックス・ツインにハマりだして、持っていた「セレクテッドアンビエントワークス」のCDを聴かせてもらったら、確かにかっこいい!しかも1992年にリリースされたアルバムだなんて!と衝撃を受けた。当時のソニーのテクノ再発シリーズはステッカーも付いていたから、彼はエイフェックス・ツインマークのステッカーをカバンに貼っていてそれもカッコよかった。過去作品の「ディジェリドゥ」とか好きだったなあ。

それから自分もエイフェックス・ツインにハマりだして、アンビエントワークスVol.2やら「I care because You Do」やらをアナログで購入した。Vol.2は正直良くわからなかったけれど。エイフェックス・ツインのがアートワークに自画像をよく用いていた頃は特によく聴いていた。

予備校に通いだしてからも、テクノというジャンル自体にそれほどハマらなかったけれど、エイフェックス・ツインは好きだった。そして、初めて買った12インチが96年リリースの「Girl/Boy EP」だった。金沢にあったインポートヤマチクという、今は潰れてしまったレコード屋で確か購入した。まだレコードのことを詳しく知らなくて、アルバムメインなもんだから、基本33回転で聴く。しかし、このレコードは12インチのシングルなので33回転なのか45回転なのかも当初分からなかった。7インチなら45回転だろうなと予想はつくし、基本ロックを買っていたので、ヴォーカルが入っているものだから「あっこれ回転数間違えた」とすぐ分かるのだけれども。

ところが、このレコードはテクノだしインストだし、当時流行の高速ドラムンベースなので、45回転でも33回転でも聴けちゃうのだ。なので、この12インチは当初33回転で楽しんでいたと思う。「なんかBPMゆっくりだな」と思いつつ。そんな記憶が蘇る作品なのである。

関係ないけど自分が予備校時代に通っていたレコード店はことごとく潰れてしまって、ネット上にはその情報がほぼ無いのも寂しい限り。金沢にあった「クロスロード」と「インポートヤマチク」は初心者の自分にもに優しいお店で好きだったなあ。

この記事が参加している募集

思い出の曲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?